テレビ東京の韓流プレミアで放送されていた『不滅の恋人』は、7月16日に最終回を終えた。史実をベースにして壮大な王宮物語が展開されたが、ドラマは歴史上の人物たちをどう描いたのだろうか。
まず、『不滅の恋人』の時代背景は1450年代前半だ。チュ・サンウクが扮したイ・ガンは歴史的に首陽大君(スヤンデグン)のことで、ユン・シユンが演じたイ・フィは安平大君(アンピョンデグン)である。そして、チン・セヨンが迫真の演技で主人公になりきったソン・ジャヒョンは架空の女性だった。
この3人が『不滅の恋人』のストーリーを彩ったが、ドラマは史実と創作を巧みに生かし作られていた。
最初に史実を確認しておこう。
甥の端宗(タンジョン)から王位を強奪しようとした首陽大君(スヤンデグン)は、1453年に端宗の後見人だった高官たちを襲撃して排除した。そして、反逆の首謀者と疑った安平大君を島流しにして、すぐに死罪にしてしまった。
こうして、史上最高の名君と讃えられた4代王・世宗(セジョン)の三男だった安平大君は、兄の首陽大君によって命を奪われた。
安平大君は素晴らしい才能を持っていただけに、さぞかし無念であったことだろう。
そして、首陽大君は1455年に端宗を脅して王位を奪い、7代王の世祖(セジョ)になった。さらに端宗を死罪に追い込んだ。
これが現実に起こった歴史なのだが、『不滅の恋人』の最後の描き方はまるで違った。
イ・ガンは王になったが、最終的にクーデターで追放され、幼い王が再び玉座に座ることになった。反対にイ・ガンは自らの非を認めるかのように自らの命を絶った。その直前には、あれほど対立していたイ・フィとの和解も果たした。
そして、イ・フィは幼い王の後見人になり、王宮の平和は保たれた。そのうえ、イ・フィとソン・ジャヒョンの愛も見事に成就した。以上のように、『不滅の恋人』は典型的なハッピーエンドになった。
現実に起こった歴史は、むごいことが多かったのだが、ドラマは現実の悲しみを補うように、正義と愛が美しく保たれた。
『不滅の恋人』の結末を見て、本当に心が晴れ晴れとなった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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