Netflix『テプン商事』を見るとき絶対に知るべきは「1997年の経済危機」

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ジュノ(2PM)が主演する『テプン商事』。描かれている時代は1997年だ。このときの状況がわからないと、ドラマの真意をつかむことができないかも。そこで、今から28年前の韓国にタイムスリップして、当時の世相を概観してみよう。

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1996年までの韓国経済は絶好調だった。高い経済成長率を誇り、まさに韓国社会は繁栄の中にいた。そういう豊かさに甘えて、親の財力をあてにしながら贅沢な消費を繰り返す若者たちが話題になっていた。

当時はオレンジ族と呼ばれた。ジュノが演じるカン・テプンもそんなオレンジ族の1人であり、『テプン商事』の第1話では夜ごとナイトクラブに繰り出すカン・テプンの派手な生活ぶりが描かれていた。

しかし、1997年に入ると韓国経済は一気に冷え込んだ。有名な財閥の倒産が続いたのである。金融機関から巨額の融資を受けて無謀な投資を繰り返した結果だ。

さらに、タイから始まったアジアの通貨不安が韓国にも波及し、ウォンが暴落してしまった。街には、リストラされた失業者があふれるようになり、国全体が暗く沈滞した。そんな中でカン・テプンの父親カン・ジニョン(ソン・ドンイル)も、自分が経営するテプン商事の金策に追われていた。

ついには給料の遅配に至ってしまい、苦しい状況の中でカン・ジニョンは命を落とした。当時の中小企業の社長は、ほとんどが彼と同じような境遇で苦しんでいた。

ジュノ(2PM)とキム・ミンハ
『テプン商事』に主演しているジュノ(2PM)とキム・ミンハ

経済をV字回復させる政策

カン・ジニョンが亡くなったのが1997年11月。その日は、ドラマの中で韓国がIMF(国際通貨基金)に緊急支援を要請する羽目になっていた。いわば、国家が破産を宣告したと同様であった。そういう現実を知ったカン・テプンは、父親の死を契機にテプン商事に入って、会社の立て直しに取り組むことになった。

韓国でも、1997年12月に新しい大統領として経済に詳しい金大中(キム・デジュン)が当選した。彼は経済をV字回復させる政策を次々と実行していった。そんな奮闘ぶりが『テプン商事』でも大いに描かれていくことだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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