韓国ドラマの理解を深める韓国語講座の実践版として、今回は「朝鮮王朝時代に使われた古い言葉」を取り上げてみよう。朝鮮王朝時代が舞台になっている時代劇では、かならず古めかしい言葉が使われている。
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もしも日本語吹替版で見ていれば、まったく気がつかないのだが、日本語字幕版ならば韓国の俳優たちが時代劇で古い言葉を使っていることがよくわかるだろう。
特に古い言葉が飛び交うのが、王宮において国王と重臣が対話をする場面だ。
一例を挙げてみよう。
●重臣たちが国王の発言に恐縮しているときの言葉
「송구하옵니다」(ソングハオムニダ/大変恐れ入ります)
●重臣たちが国王に対して感謝しているときの言葉
「망극하옵니다」(マングカオムニダ/とても光栄でございます)
●重臣たちが国王の言葉に従うときの言葉
「명심하겠사옵니다」(ミョンシムハゲッサオムニダ/肝に銘じておきます)
以上の3つが、朝鮮王朝時代に重臣たちが国王に対してひんぱんに使う慣用句だ。
共通するのが、言葉の語尾が「옵니다」(オムニダ)になっていることだ。これが尊敬語になっており、重臣たちが国王に対して多用していた。
また、重臣たちが国王に対して大事な意見を述べるときには、次の言葉を使っていた。
「통촉하여 주시옵소서」(トンチョカヨ チュシオプソソ/お聞き入れください)
この言葉も韓国時代劇でよく使われる言葉だ。
次に、国王が家臣に対して使う言葉を見ていこう。代表的なものをここに挙げてみる。
●国王が家臣を呼ぶときの言葉
「이리 오너라」(イリ オノラ/こちらへ来なさい)
●国王が家臣に発言を促すときの言葉
「말씀드려보거라」(マルスム トゥリョボゴラ/申してみよ)
以上のように、国王が命令口調で語るときは語尾が「~라」(~しなさい)となっている。
国王と重臣は、立場の違いによってそれぞれがふさわしい言葉を使っている。このあたりを理解しておくと、王宮の雰囲気がよくわかってくるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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