韓国はもちろん、日本のNHK BSプレミアムでも放映された時代劇ドラマ『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』。回数を重ねるごとにその力強い演技が際立っていたのが、ヒロインとしてドラマを引っ張ったキム・ソヒョンだ。
キム・ソヒョンは高句麗(コグリョ)のピョンガン王女に扮して、自ら国を守るための戦いに挑んでいった。その勇敢な姿は新しいヒロイン像を見せてくれたし、ドラマの完成度がとても高かったが、今回、そんな彼女のインタビュー・コメントが届いた。
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2回目に分けて紹介しょう。
―初めて『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』の台本を読んだ時の感想は?
「まずは、役者としてテンションが上がりました。今まで私が演技でお見せしてきた姿とは違って、すごく強い人物だったので。そして、前半ではアクション演技もあるので、視聴者のみなさんに新しい姿をお見せできそうでテンションが上がりましたね。
正直、不安な気持ちもありました。自分にとっては大きな挑戦になるので、みなさんの感想や評価も気になりますし...。
でも、せっかくなので思い切って挑戦しようという気持ちでこの作品にかかりました!」
―ドラマのモチーフになった昔話「ピョンガン姫と馬鹿オン・ダル」は、韓国では知らない人がいないほど非常に有名な話ですね。しかしドラマの中のピョンガンは昔話のピョンガンと色々違いました。そんなドラマのピョンガンに対しての印象は感想を教えてください。
「昔話のピョンガンは泣き虫な姫なので、個人的には脆くて優しい印象が強かったです。一方で台本の中のピョンガンはとても強くて、ぶれることなく行動する人物でした。
またドラマの前半では刺客としての鋭さも見せつつ、心の奥には深い傷を抱えている、複雑な人物でした。なのでピョンガンの本当の姿は一体何だろう…と、気になりました。
そんなピョンガンへの疑問は、演じながら少しずつ解けて行きました。それが楽しかったです」
―ドラマのピョンガンについてより詳しく教えていただきたいですが
「ピョンガンはドラマの前半では刺客ヨム・ガジンとして生きていますが、カジンはとても繊細でどこか尖っている人物です。バラのトゲのように、自分を守るためにトゲを立てるんです。王女に戻ってからは、典型的なお姫様の脆くて弱いイメージではなく、とても強い姿を見せます。高句麗を守りたい、そしてオン・ダルを、愛する人たちを守りたい!と強く思って行動する素敵な人物です」
―ドラマにおいて「大義か、愛か」は物語の重要なテーマでした。キム・ソヒョンさんの人生において、一番大切なものは何ですか?
「私の人生で一番重要なもの…。大義か愛か、どちらかひとつだけ選ぶって本当に難しいですね。正直分かりません。でも、私は自分の人生で一番重要なのは、“自分の幸せかどうか”だと思います。
大義を選んだことから来る幸せ、愛を選んだことから来る幸せ。どんなものであれ、自分が一番幸せになれる方を選ぶべきだと思います」
―優れた武術の実力を持つカジンを演じるために、どんな準備をされましたか?
「残念ながら準備時間が十分ではありませんでしたので、現場での確認を徹底しました。どの角度から、どう動けばアクションを綺麗に見せられるのかを自分でも研究し、アクション監督とたくさん相談しながら演じました。
また、他の役者さんのアクションシーンでの動きも参考にしたりしました」
―本作のため、参考にされたドラマや映画がありますか?
「特に参考にしたものはありませんでした。真似てしまいそうな気がして...。それより、現場での自分の感情とシーンの状況に最大限集中して、私だけのピョンガンを見せるために努力しました。
―踊り子に紛れて踊るシーンがありました。古典舞踊は習ったことがありますか?
「どこかに通って基礎からしっかり学ぶといったことはありませんでしたが、以前、別のドラマで短いですが踊りを習うシーンはありました」
―では今回の演技のためにどれくらい練習しましたか?
「3回くらい、習いに行きました。すぐ撮影が始まったのであとは撮影の合間に練習するしかありませんでした。でも家で練習したおかげか、思ったよりスムーズに踊ることができました」
―今まで出演された他の時代劇で見せていた姿と全く違う姿を見せてくれました。どんな点に気をつけて演じましたか?
「今まで幾つかの時代劇で演じてきましたが、今回は一人三役で、刺客のヨム・カジン、ピョンガン、そしてピョンガンの母親であるヨン王妃まで3人のキャラクターを演じないといけませんでした。
他の作品で演じてきた人物とは大きく違ったキャラクターたちなので、今まで演じてきた役と‘差をつけること’は特に気にすることもなく演じました。
一番大事にしていたのは、今回の3人のキャラクターに集中して、それぞれどう演じたらいいのか、3人の女性の違いをどう細かく表現したらいいのか、などを考えていました。そのため、今回は本当に深く人物研究をしたと思います」
―ピョンガンを演じるにあたり、参考にした人物はいますか?(映画、ドラマなどのキャラクター…)
「特にありませんでした。ピョンガンが説話の中の人物ということもありますが、私は誰かを参考にしたら、その人物に近づいてしまいそうで...。先ほども話しましたが、誰かを真似したくはありませんでした。今回の作品では完全に自分の解釈だけで演じたいと思い、努力しました」
―ドラマの中で一番記憶に残るシーンとセリフは?その理由は?
「ドラマ前半で、記憶を失った刺客ヨム・カジンはオン・ダルに出会って自分が誰なのかを考え始めます。そこで「自分のことをちゃんと知るべきだ」と話すシーンがあります。
自分が誰なのか、どうしてこんな人生になったのかを知るのは辛いけど、知らないと自分自身を失ってしまうという内容のセリフですね。そのセリフを言う時、すごく共感しました。
知らない自分を知ることは怖いことかも知れないですが、それでも知るべきだと思います。
自分自身のことを自分が一番深く知ってこそ、自分の人生を完全に自分のものとして生きていけると思うので、そのセリフがとても印象深かったです」
―ちなみに、ヒョンさんの普段の考えと重なるからですか?
そうですね。私の普段の心構えや考え方がピョンガンのセリフに入っていたので、より共感しながら演じることが出来ました」(後編につづく)
文=韓ドラ時代劇..com編集部
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