【歴史コラム】『赤い袖先』の宮女にとって「笄礼」はどれだけ重要だったのか

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テレビ東京の韓流プレミアでオンエアされている『赤い袖先』では、9月12日の第8話で宮女の笄礼(ケレ)について取り上げていた。イ・セヨンが演じるソン・ドギムや同僚の宮女たちが見習いから卒業して一人前の女官になる儀式が笄礼であった。

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そもそも、宮女たちは早ければ5歳くらいから見習いとして王宮に入ってくる。そして、王宮の裏方を仕切る尚宮(サングン)の下に付いて修業を積んでいく。

この尚宮というのは、実際に王宮で働く宮女たちの最上位の役職であり、品階は「正五品」となっている。この「正五品」より上の品階の女性はすべて側室だ。

結局、見習いはすべて尚宮をめざしていくのだが、修業するときはそれぞれの所属部署に配置されていく。その部署の主なものは以下のとおりだ。

・至密(チミル)/国王と王妃といった王族の世話をする

・針房(チムバン)/王や王妃の衣服や布団をつくる

・繍房(スバン)/王族の衣服に付ける刺繍をつくる

・洗水間(セスガン)/王族が使用する洗面水や浴槽水を管理する

・焼厨房(ソジュバン)/王族が食べる料理を作る

・洗踏房(セダッパン)/洗濯を担当する

『赤い袖先』に登場する宮女たち(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)

成人式に該当する儀式

以上の中で、ソン・ドギムが所属したのが至密であり、特に東宮(トングン)を担当することになった。ここは、世孫(セソン)に関わる部署で、イ・サンのお世話をしていく。それによって、ソン・ドギムとイ・サンの接点がたくさん生じていくのである。

なお、ソン・ドギムのような見習いは修業を経て18歳くらいで内人(ナイン)に昇格する。その内人になる儀式が王宮では笄礼であった。これは女性の成人式に該当する儀式であり、笄礼を経て一人前になった女性は髪を上げてピニョ(かんざし)をつけるようになる。

同時に、女官を統括する内命婦(ネミョンブ)の正式な一員に昇格する。さらに内人は正式な役職を受け、品階としても普通は「従九品」を授かる。こうして宮女は立派な女官になっていくのだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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