韓国でドラマ・映画化された日本文学。実はこんなにもある!原作と合わせて楽しみたい5選

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日韓合作の作品がだんだんと増えてきた今日この頃。実は韓国では、我々の想像以上に日本の小説が原作の作品が多数公開されている。

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人間の心の機微を丁寧に描く日本文学と、感情表現に厚みのある韓国映像作品。その融合から生まれるものは、原作ファンにとっても新鮮な驚きを与えることが多い。そこで今回は、日本の小説原作の韓国ドラマ・映画を中心にピックアップしてみた。

【ドラマ】

愛のあとにくるもの(2006年刊行、幻冬舎)

原作は、韓国の人気女性作家コン・ジヨンと、日本の恋愛小説の名手・辻仁成が手がけた同名小説。それぞれが女性と男性、二人の主人公の視点から日本と韓国を舞台に男女の恋の行方を描き出した作品だ。韓国で大人気の日本人俳優・坂口健太郎が小説家を目指す潤吾役、多くの作品で活躍する韓国人俳優・イ・セヨンが韓国からの留学生チェ・ホン役を演じた。

近年、韓国で最も人気の日本人俳優であるといっても過言ではない坂口健太郎氏の出演が決定してから、韓日両国で多くの話題を集めていた。光の使い方や撮影アングルなど映像表現の仕方が、日本と一味違うのが魅力ともいえる韓国作品。「韓国が描いた日本の映像がとても美しい」などの声もあがっていたのだそう。見慣れた日本の景色と、韓国の美的感覚が盛り込まれた映像の両方を楽しんでほしい作品だ。

(画像=Coupang Play)

終末のフール(2006年刊行、集英社)

日本の現代文学・エンタメ小説界において高い人気を誇っている作家。筆者自身も中学生時代に『チルドレン』や『オーデュボンの祈り』などを読んでいた記憶がある。そのくらい日本では大衆性のある人気作家だ。

そんな彼の小説のひとつである『終末のフール』が、2024年に韓国でNetflixシリーズ作品として制作、そして配信がスタートとしていたと知り正直驚いた。韓国で映像化された作品では、小惑星の衝突によって滅亡まで残り200日の世界を舞台に、混乱の中で「どう生きるか」を問いながら日々を過ごす人々の姿を描いた内容となった。主人公のチン・セギョン役には『賢い医師生活』で産婦人科のレジデント・ミナを好演し、知名度が急上昇したアン・ウンジンを抜擢。恋人役のハ・ユンサン役としてユ・アインが出演している。

(画像=Netflix)

紙の月(2012年刊行、角川春樹事務所)

原作は角田光代による同名のサスペンス小説。日本では2014年に宮沢りえ主演で映画化されている作品だ。韓国ドラマ『紙の月』は、息の詰まるような日常の中で生きる一人の女性が、銀行のVIP顧客の資金に手をつけたことから、取り返しのつかない道へと踏み出していく。大筋のストーリーの流れや設定の変更はほぼないそう。韓国ではTVINGでの配信とENAでのテレビ放送が同時に行われ、最終話では自己最高視聴率1.504%を記録した。

専業主婦から、貯蓄銀行の契約社員として働き始める主人公ユ・イファを『SKYキャッスル 上流階級の妻たち』の入試コーディネーター役で注目を集めたキム・ソヒョンが、彼女の夫でSHグループの部長チェ・ギヒョン役をコン・ジョンファンが演じた。そしてイファと強く惹かれ合うユン・ミンジェ役はイ・シウが務めている。

(画像=Genie TV)

【映画】

ジョゼと虎と魚たち(1984年刊行、KADOKAWA)

日本では、犬童一心監督が妻夫木聡と池脇千鶴を主演に迎えて映画化した田辺聖子の同名短編小説。2003年の公開当時、数々の映画賞を受賞し、20年以上経った今もなお「青春恋愛映画の金字塔」として語り継がれる名作だ。2020年に韓国映画界の手によってリメイクされ、現代の感性で作品としてよみがえった。

韓国版は、邦画版のエッセンスを受け継ぎながらも、より静謐なトーンで物語が展開されていく。大学卒業を控えた青年ヨンソクと、車椅子で暮らすジョゼの出会いから、純粋でまっすぐな愛の物語が静かに紡がれる。ジョゼのキャラクターは日本版よりも穏やかに描かれているのだそう。

ジョゼ役を演じるのは『知ってるワイフ』『ある春の夜に』などで知られるハン・ジミン。ヨンソク役は、Netflixドラマ『スタートアップ:夢の扉』で注目を集めたナム・ジュヒョクが繊細で誠実な青年像を等身大に演じている。

映画『ジョゼと虎と魚たち』

甘酸っぱい(原作名:イニシエーション・ラブ、2004年刊行、原書房)

日本版では前田敦子、松田翔太、木村文乃が出演した、乾くるみの大ヒット小説が原作の映画『イニシエーション・ラブ』のリメイク版である本作品。日本版の物語の舞台は、1980年代後半の静岡と東京。Side-AとSide-Bの2部構成で描かれる青春ラブストーリーだ。バブル最盛期の空気を背景に、若い男女の出会いと別れを瑞々しく描いた本作。映画ではラスト5分で、甘く切ないラブストーリーは一転、驚きのミステリーへと姿を変えていく。

韓国版では恋人同士のチャンヒョク役をチャン・ギヨン、ダウン役をチェ・スビン、チャンヒョクの同僚であるボヨン役をクリスタルが務めている。韓国版もストーリーや背景設定の変更は多少あるものの、ラスト10分で驚きの大どんでん返しが起こるのは邦画版と一緒。韓国版と見比べてみるのも面白いかもしれない。

このほかにも、伊坂幸太郎原作の『ゴールデンスランバー』や佐々木譲原作の『警官の血』など、日本人作家の小説が原作となっている韓国作品はまだまだある。原作小説を読んでから、鑑賞できるのも日本人視聴者ならではの楽しみ方。私はまず、『終末のフール』から視聴を始めてみたいと思う。

(写真=Netflix)

(文=豊田 祥子)

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