クォン・ヘヒョは本当に味があるバイプレーヤーだ。あの『冬のソナタ』ではペ・ヨンジュンが演じたチュンサンの先輩となるキム次長に扮し、日本の韓流ファンに一気に知られる存在となった。
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以後も活躍がめざましく、個性的な登場人物に扮している。たとえば、ラブコメの傑作『私の名前はキム・サムスン』(2005年)で料理長、時代劇『王になった男』(2019年)では悪役の高官、パク・ミニョン主演の『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』(2022年)では予報局長を演じていた。どの役でも、クォン・ヘヒョが演じると他の俳優では真似のできない独自の雰囲気をかもしだしていた。
そして今年、ナムグン・ミンとチョン・ヨビンが主演する最新ドラマ『私たちの映画』でも、クォン・ヘヒョは重要な役で出演している。
彼が演じているのは、チョン・ヨビンが扮しているイ・ダウムの父親イ・ジョンヒョでうり、韓国大学病院の遺伝学センター教授となっている。彼は不幸にも妻を稀少遺伝病によって失っているが、今度は娘も同じ病におかされて、余命宣告を受けてしまった。
父親としても医者としても、イ・ダウムの延命を必死に願うのが当然なことだ。しかし、娘はイ・ジェハ(演者ナムグン・ミン)が監督する映画『白い愛』のヒロインに抜擢された。
主演女優は撮影が始まったら激務になるので、イ・ジョンヒョはイ・ジェハに対して「出演は無理です」と警告してきたのに、娘は絶対にやめようとしない。
イ・ジョンヒョはひたすら「娘に長生きしてほしい」と願っているのに、イ・ダウムは「命が短くなってもこの主役をやり通したい」と強い執念を見せている。それだけに、イ・ジョンヒョは医者の立場としてもジレンマが大きくなるばかりだ。そのように苦悩する姿をクォン・ヘヒョは迫真の演技で表現している。
『冬のソナタ』から23年。時はかなり経過したが、クォン・ヘヒョは今もドラマ制作の最前線で俳優としての真価を発揮している。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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