韓国の現代史を振り返ってみると、やはり1997年に起こった経済危機が非常にショッキングな出来事だった。この時に韓国は国家的に破産するとさえ言われ、街に失業者があふれて国は完全に沈んでいた。そんな時代を象徴的に描いたドラマとして3本を取り上げてみた。どれも韓国の現代史を取り込んだ傑作ばかりである。
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●『財閥家の末息子~Reborn Rich~』(2022年)
出演者(演じる役の氏名)/ソン・ジュンギ(ユン・ヒョヌ/チン・ドジュン)、イ・ソンミン(チン・ヤンチョル)、シン・ヒョンビン(ソ・ミニョン)、ユン・ジェムン(チン・ヨンギ)
〔ここがポイント!〕財閥企業で忠実に働いたユン・ヒョヌは会社に裏切られ、海外で殺されて海に落ちた…途端にタイムスリップして、財閥家の末息子だったチン・ドジュンの少年時代に成り代わってしまう。以来、未来を知っている男として立ち回っていくが、特に1997年の経済危機の際に本領を発揮する。それからも、韓国現代史の中でチン・ドジュンの波乱の生き方が描かれていく。
●『二十五、二十一』(2022年)
出演者(演じる役の氏名)/キム・テリ(ナ・ヒド)、ナム・ジュヒョク(ペク・イジン)、キム・ジヨン(コ・ユリム)、イ・ジュミョン(チ・スンワン)
〔ここがポイント!〕フェンシングに打ち込むヒドと苦学生のイジンの愛の日々が抒情的に描かれた。借金取りに責められたイジンをヒドが励ますシーン、傷心のヒドが食堂で老人たちになぐさめられる話、売国奴と批判されたユリムを2人が気遣うシーンなどが名場面だった。同時に、1997年の経済危機から2010年までの激動の時代がドラマと巧みにリンクしていた。2001年の同時多発テロで2人の運命が変わってしまうストーリーも鮮烈だった。
●『おつかれさま』(2025年)
出演者(演じる役の氏名)/オ・エスン(IU/ムン・ソリ)、ヤン・グァンシク(パク・ボゴム/パク・ヘジュン)、クムミョン(IU)、チェ・デフン(プ・サンギル)
〔ここがポイント!〕物語はまさに韓国の現代史そのものだった。1950年代の貧しい時代に済州島(チェジュド)で育ったエスンとグァンシク。やがて結婚した2人は生活苦の中で必死に生きていく。さらには、娘のクムミョンが成長してソウルに住むが、現代史の荒波に呑み込まれてしまう。特に、彼女の苦悩がドキュメンタリーのようにドラマに組み込まれていた。北朝鮮の最高指導者が世を去ったニュースが流れるタクシーの中で、クムミョンが号泣するシーンは印象的だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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