キム・スヒョンとハン・ガインが主役を演じる『太陽を抱く月』。序盤は子役だったヨ・ジングとキム・ユジョンがドラマを大いに盛り上げているが、このドラマで素晴らしい存在感を見せているのがチョン・イルだ。
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彼が演じているのは王族の陽明君(ヤンミョングン)である。弟のフォンに世子を譲って陽明君は王子としてひっそり暮らしているのだが、たくさんの苦悩を抱えている。実際、陽明君という役は、とても複雑な境遇を持っていたのだ。
兄でありながら結局は王になれなかったし、愛する女性に気持ちを伝えられないという苦しさも抱えていた。それでも必死に自分を律しながら、陽明君は王族としての誇り高い精神を持ち続けた。その心の葛藤をチョン・イルは哀愁を帯びた表情で巧みに表現していた。
改めてドラマとしての『太陽を抱く月』の真髄を示せば、様々な過去によって苦しめられていた人たちの再生の物語であった。その中で、チョン・イルが扮した陽明君は、叶わぬ想いを持ち続けながら必死に生きる人を代弁しているかのようだった。
そういう意味で、陽明君は主役2人に準ずる「最高の脇役」であったと言える。この役が全編にわたって登場することで、『太陽を抱く月』は「哀しくも必死に生きる人たちへの哀惜」を見せてくれるドラマになっていた。本当に抒情性を持った麗しい内容なのだ。
さらに、『太陽を抱く月』を見ていてよくわかるが、チョン・イルは韓服が本当に似合っている。彼はとても端正な顔立ちをしているのだが、朝鮮王朝時代の冠と服装に身を包むと、その表情がなおさら優雅になってくる。朝鮮王朝時代の王子というのは、まさに彼のような雰囲気だったのだろうと思わせてくれる。
【『太陽を抱く月』キャスト】
●イ・フォン(キム・スヒョン/子役はヨ・ジング)
●ヨヌ/ウォル(ハン・ガイン/子役はキム・ユジョン)
●陽明君ヤンミョングン(チョン・イル)
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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