今年は日本でも韓流20周年を迎えているが、その韓流ブームの契機になったレジェンド・ドラマ『冬のソナタ』が12月13日からBSテレ東で始まった。
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このドラマは韓国 KBSで2002年1月から3月まで放送されていた。撮影が始まったのは2001年12月で厳寒期での撮影が主だったので、俳優たちも寒さと睡魔に苦しんだ。あの迫真の演技は、過酷な撮影条件のもとで生まれていたのである。
ただ、精神的にも肉体的にも極限を試されるような環境だったので、逆に俳優とスタッフの間に一体感が生まれ、そういうチームワークの良さが良質の作品につながった。
演出を担当したユン・ソクホ監督は、2000年制作の『秋の童話』を成功させて脚光を浴びており、「水彩画のように美しい映像を撮る監督だ」という評価も定着していた。そして、季節の移ろいを織り込んだ抒情的な作風を確立することをめざし、その第2弾として『冬のソナタ』の制作に取りかかったのである。
主役のペ・ヨンジュンとチェ・ジウは、ともにテレビ局の専属俳優の出身である。当時の韓国ではテレビ局がタレントを採用するためによくオーディションを行っており、ペ・ヨンジュンは KBS、チェ・ジウはMBSに合格したのが出発点になった。ともにデビューは1994年で同期だ。
2人は先に『初恋』というテレビドラマで一度共演をしており、『冬のソナタ』は2度目の共演作だった。ともに主演作を次々と成功させているヒットメーカーであり、『冬のソナタ』は理想的なキャスティングでスタートすることができた。
ただし、準備不足は否めなかった。わずか4回分の台本があるだけで撮影を開始したからである。しかも、撮り貯めがない状況の中で放送は週2回ずつ行われた。制作現場で台本が作られるのが当たり前となり、ペ・ヨンジュンは撮影10分前に台本を渡されることも度々だった。
そんなシビアな環境の中で制作された『冬のソナタ』は韓国でシンドロームを起こすほど大ヒットし、2003年には日本でも放送されて韓流ブームの「立役者」になったのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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