フジテレビで放送中の『夫婦の世界』は、いよいよ終盤に入ってきた。家庭医学専門医のチ・ソヌ(キム・ヒエ)と夫である映画製作会社代表イ・テオ(パク・ヘジュン)の関係が、とてつもなく危なっかしい。
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憎しみ合って別れたはずなのに、激情によって「ヨリを戻す」瞬間まで訪れてこようとは……。夫婦の関係は本当にわからないものだ。不安定な状況のとばっちりを受けているのが息子のジュニョン(チョン・ジンソ)であった。
まだ中学生なのである。普通なら、夢中になって学生生活を謳歌しているはずであった。それなのに、毎日のように父親と母親の修羅場を散々見せられてしまっていた。これでは、まともな日々を送っていけるはずがない。
本当に、父親が不倫した末に夫婦が泥沼の離婚劇を演じたことは、ジュニョンにとって悲劇そのものであった。どれだけ精神的に苦痛だったのか。
結局、ソヌがテオとなんとか離婚に持ち込んだときは、平和な時間が訪れたと思った。しかし、2年後に再びテオが愛人と子供を連れて地元に戻ってきて、いっそう混乱するばかりとなってしまった。
さらには、息子の取り合いで争い始めた父と母。息子のジュニョンとしても、どうしていいのかわからない。今までどおり母親と暮らせばいいのか。それとも、父親の強引なやりかたに従えばいいのか。又裂きにあっているような気分かもしれない。本来は素直で純真な中学生だったはずなのに、両親の争いによって精神的に追い詰められてしまった。
その末に、盗みを働いたり、たばこを吸ったり、外泊をしたり……。絶対にいけないことだとわかっていても、両親に対する抗議の気持ちが非行につながってしまったかもしれない。そういう意味でも、両親のいざこざの一番の被害者が息子のジュニョンであることは間違いない。果たして、彼が以前のような素直な日々を取り戻すことができるのだろうか。これは両親の責任が一番大きい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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