『ポッサム』のクォン・ユリは芸能界でのキャリアがどこまで生きているのか

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時代劇『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』を見ていると、ファイン翁主(オンジュ)を演じているクォン・ユリが「本当に適役だ」と感心してしまう。

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ファイン翁主は、チョン・イルが扮するバウによって間違って誘拐されてしまうのだが、どんなにピンチになっても国王の娘という気高さを失わなかった。そんな演技のとき、クォン・ユリの品のある佇まいはとても似合っていた。

こうして『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』は、バウとファイン翁主の逃亡生活が前半のメインになっていくのだが、悲観したファイン翁主が川に身投げするシーンは、見ていて切なかった。幸いにバウによって助けられて安堵したが、そのときもクォン・ユリは清楚な雰囲気を残したまま、今度は力強く生きていくという強い決意を固めるのであった。

物語が進むと、一転してファイン翁主が頼もしい女性となった。敵に囲まれたときは弓を使って窮地を脱していたし、お嬢様育ちとは思えないほど機敏に動いて追ってくる敵から逃れていた。

さらなる名場面があった。それは、腹の底から笑いを誘うようなシーンだ。

クォン・ユリがファイン翁主を演じた(写真=© MBN All rights reserved)

史実に基づいた時代劇

演じるのは、貴族の風格を持つファイン翁主と生計を立てるための収入を求めるバウ。この2人は力を合わせ、貪欲な両班(ヤンバン)夫人からの資金確保を巧妙に計画する。その策略を実行に移す際、ファイン翁主が上品にも詐欺的な芝居を見せるさまは、まるで喜劇を見ているかのような心地よさを感じさせた。

加えて、その計画が露見しそうになり、2人があわてて逃走していった。そんな光景は、まさにコミカルでとても愉快であった。それでいて、人生のペーソスがあって、さらに感心してしまう。本当にクォン・ユリは多彩な演技ができる人で、センスの良さは抜群だ。さすが、厳しい芸能界でキャリアを積んできただけのことはある。

『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』は、歴史的な史実に基づいた時代劇であるが、ときより見せるユニークな場面が、物語の魅力を一層高めていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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