テレビ東京で放送中の『紳士とお嬢さん』。主人公となるイ・ヨングクを演じているのがチ・ヒョヌだが、彼の役はかなり波乱万丈になってきた。当初は大会社の会長として落ち着きのある紳士ぶりを見せていたのだが、それだけで終わらないのが韓国ドラマの持っている意外性だ。
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彼は年の差を乗り越えて家庭教師のダンダン(イ・セヒ)と恋愛関係に入った途端に、1人で山に行った時に転落事故にあって記憶を喪失してしまう。このドラマを見ていた人たちは、典型的な「韓ドラあるある」が起こったと大いに笑みがこぼれたかもしれないが、その記憶喪失も普通のレベルではない。40代になっていたヨングクが22歳の頃に戻ってしまったのだ。
それゆえ、態度も口ぶりも完全に20年前の自分になりきっているわけで、彼はその間に起きたことを全く覚えていない。つまり、ダンダンを見ても2人が熱烈な恋愛関係だったことに気づかないのだ。
こんな都合のいい記憶喪失があるのかと思ってしまうが、そこはなんでもありありの韓国ドラマだ。ヨングクは、22歳までの記憶しかないにもかかわらず、自分が3人の子持ちであるという現実を受け入れなければならなかった。
そんな状況を悪用したのが室長のサラ(パク・ハナ)である。あたかもヨングクと自分が恋愛関係にあったという風に思い込ませることに成功。なんとヨングクはサラにプロポーズまでしてしまった。
彼の記憶が戻ったら大騒動になるのは間違いないのだが、そんなことをサラは全く気にかけていない。とにかく既成事実を作ってしまえば、なんとかなると思い、強引に嘘を塗り固めてヨングクとの結婚を取り付けた。
こうした展開のヨングクを演じているチ・ヒョヌ。記憶喪失になってからの彼は、22歳の精神状態を演じなければならないので、非常に苦労したことだろう。
彼の韓国芸能界でのイメージは癒し系の俳優の代表格。そんなチ・ヒョヌは『紳士とお嬢さん』では堅物の会長を演じていたのだが、記憶喪失になってからはチャラチャラした若者に扮している。1984年生まれの彼は『紳士とお嬢さん』で主演したときは37歳。それでも、22歳の精神性を持った主人公を演じるときの彼は「意外と可愛い!」と好評であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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