パク・ソジュンとパク・ミニョンが主演した『キム秘書はいったい、なぜ?』。そして、もう一つはアン・ヒョソプとキム・セジョンが主演した『社内お見合い』。両ドラマは似たテイストで大ヒットを記録したラブコメだ。
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特に共通点があるのが男性主人公のキャラ。『キム秘書はいったい、なぜ?』でパク・ソジュンが演じた財閥副会長のイ・ヨンジュンと、『社内お見合い』でアン・ヒョソプが扮した大手食品会社社長のカン・テムは、まるで双子のような似た者同士であった。
たとえば、イ・ヨンジュンは頭脳明晰で、コンピュータのように計算力がケタ違いに速く、数カ国の外国語をネイティブのように話す。まさに、非の打ち所がないカンペキ男だ。
カン・テムも負けていない。創業者の祖父から引き継いで20代で社長となり、仕事ぶりは超人的で頭のキレも抜群。まさに天才型の経営者なのである。
しかも、イ・ヨンジュンとカン・テムはともに「典型的なナルシスト」。自分自身が一番好きで女性に関心を示さないタイプなのである。
そんな2人にも強烈な落とし穴があった。それは、本来は女性に関心を示さないはずなのに特定の女性にコロリと参ってしまったこと。イ・ヨンジュンの場合は秘書として長く仕えてくれたキム・ミソが退社したいと言い出した途端にメロメロになっていたし、カン・テムも偽装結婚の相手になってくれたはずのシン・ハリにいつのまにかゾッコンになってしまった。
極端なナルシストが、フタを開けたら自社の女性社員に惚れてしまっていた。
その挙句に、イ・ヨンジュンもカン・テムも「何でもできる男」のはずなのに、恋愛に関しては失敗を繰り返してばかり。こうして、完璧な経営者が世間知らずの烙印をおされてしまう。
しかし、そこがラブコメのポイントなのだ。つまり、スーパーマンのような男が、愛する女性の前でメロメロになって、ダメ男に転落するところがラブコメの本当の面白さだ。
結局、人気ラブコメの男性主人公が頂上からズッコケていく度に、ドラマの人気がうなぎのぼりになるのであった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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