『社内お見合い』は見ていて無条件に楽しめる。笑えるし、ハラハラするし、大いにナットクできる。まさに、ラブコメの真骨頂だ。
何よりも、キャラクターが面白い。
アン・ヒョソプが演じる食品大手企業のカン・テム社長は、創業者の祖父から早く結婚するように催促されて見合いばかりさせられる。その見合いを断る口実として社員のシン・ハリと偽装恋愛をするのだが、「偽装」がいつしか「本物」に変わっていってしまう。
こういう展開は「ラブコメあるある」で、新味はあまりないのだが、シン・ハリを演じるキム・セジョンの演技がとてつもなくユニークで、彼女が何を演じても爆笑できる。困ったときの顔芸も多彩で、キム・セジョンは演じる七変化にいつでも移れる女優だ。
もちろん、アン・ヒョソプも筋金入りのイケメン。能力と容姿がずば抜けた若き社長を演じていて、ラブコメの主人公としても申し分ない存在感だ。かくして、『社内お見合い』は回を重ねる度に主人公2人のシナジー効果でますます面白くなっている。
特に愉快だったのは、シン・ハリがリゾートホテルで偶然会った友人たちの前で「彼氏のいない女性」として軽んじられる場面。そこに急に現れたのが、颯爽と彼氏を演じたカン・テムだった。
友人たちが見ても、カン・テムは何から何まで最高の彼氏だった。しかも、カン・テムがシン・ハリの勤める会社の社長だということが友人たちにわかり、シン・ハリのプライドは最高レベルに保たれることになった。
それをすべて仕切ってくれたのがカン・テムだった。彼はいつのまにかシン・ハリを愛していた。最初は信じられなかったシン・ハリもカン・テムの真摯な告白を聞いて、「大変なことが起こった」と動揺するしかなかった。
それでも、2人には目に見えない格差がある。それを乗り越えて、カン・テムとシン・ハリは究極の愛をどのように手に入れていくのか。
ラブコメの王道を爆走している『社内お見合い』の今後の展開がさらに面白くなりそうだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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