ついに“双方ロマンス”が始まった『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(以下、『ウ・ヨンウ』)だが、どうやら順風満帆なわけではなさそうだ。
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第9話では、ウ・ヨンウ(演者パク・ウンビン)との関係を進展させるべきか悩むイ・ジュノ(演者カン・テオ)の様子が描かれた。
(※以下、ネタバレあり)
「“好き”のその先が想像できない」「覚悟が必要なきもするし、お互いにつらくなりそうで怖い」「あの人とは生半可な気持ちで始めちゃダメだ」と、クォン・ミヌ(演者チュ・ジョンヒョク)に打ち明けたジュノ。
ミヌは相手がウ・ヨンウだとは知らず、「つまり、生半可な気持ちなんだ」とジュノを煽り、「だったら いけよ」と背中を押す。ジュノはミヌの言葉を聞くや否や、ウ・ヨンウのいる会社に駆けつけて「好きです 好きすぎてまるで病気です」と気持ちをストレートに伝えた。
“クジラカップル”(ウ・ヨンウとイ・ジュノの愛称)が気持ちを確かめ合った記念すべき瞬間だが、その次のエピソードはよりにもよって「知的障がい者の恋」。知的障がいを持つ女性を愛していると主張するも、性的暴行の疑いで裁判を受ける男性と、そんな彼が刑務所に行かないようにしてほしいとお願いする知的障がいを持つ女性が登場する。
彼らの弁護を任されたウ・ヨンウは、「障がいがあれば好きな気持ちだけでは不十分のようだ」と語り、イ・ジュノとの交際が容易ではないことをうかがわせた。
現在、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の視聴者の間ではラブライン(恋が芽生えたり、進んでいく様子)をめぐって「今のままで十分、これ以上は発展させないでほしい」「クジラカップルの結婚エンディングが見たい」と、意見が分かれている状況だ。
『ウ・ヨンウ』はドラマの設定上、自閉スペクトラム症の前向きで可愛らしい面が引き立てられるため、障がい関連コミュニティでは不快感を示す人もいる。
「弁護士の仕事ができる自閉症の人は、もう自閉症とは言えない」「ウ・ヨンウほどの天才じゃなければ、社会に出て来れないの?」「世間が自閉症にも良い自閉症と悪い自閉症に二分化しそうで怖い」といった感じだ。
ドラマが自閉スペクトラム症の前向きな部分を引き立てたことについて、脚本家のムン・ジウォンも「不快だという意見にも深く共感する。それはドラマが持つ限界だ」と、記者会見で明かしている。
それにもかかわらず、『ウ・ヨンウ』の制作陣は第3話のエピソードを通じてウ・ヨンウとは違う自閉スペクトラム症もあることを見せるために努めた。
第10話のエピソードは、クジラカップルのラブラインを説得させるためではなく、ヨンウのことが好きなジュノが告白をためらった理由や、クジラカップルに差し掛かる現実的な悩みなどをあらかじめ教えてくれそうだ。
クジラカップルのラブラインをただの「美しい恋愛模様」にはせず、知的障がい者の恋を取り上げた脚本家の度胸と勇気に拍手を送りたい。
(記事提供=OSEN)
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