NHK・BSプレミアムで毎週日曜日の午後9時から放送されている時代劇『七日の王妃』は、6月12日の放送で第10回になった。全編の半分が終わったわけだが、物語としては、パク・ミニョンが扮するシン・チェギョンが、ヨン・ウジンが演じるイ・ヨク(晋城大君〔チンソンデグン〕)と結婚していく流れになっている。
【写真】『七日の王妃』でパク・ミニョンが演じたヒロインはどこまで突き抜けたのか
史実で言うと、シン・チェギョン(後の端敬〔タンギョン〕王后)がイ・ヨクと結婚するのは、1499年のことである。このとき、シン・チェギョンは12歳でイ・ヨクは11歳だった。
シン・チェギョンが1歳年上だが、当時の王族の間では新婦が新郎より年上になるのはよくあることだった。つまり、「年上女房」は別に珍しくなかったのだ。
この「1499年」に注目すれば、『七日の王妃』は第10回で1499年まで進み、それから最終回に向けて、イ・ヨクが国王になる1506年に進んでいくことになる。
といっても、『七日の王妃』は、史実にたっぷり忠実に描かれた時代劇ではない。実在の歴史人物をモチーフにしてストーリーが作られているが、そのエピソードの大半は創作なのだ。つまり、脚本家によって練られた話がドラマを形成している。
そのあたりをきちんと認識していないと、史実と創作が混同してしまうことにもなりかねない。
歴史上で言うと、端敬王后の生涯はあまり記録されていない。彼女が王妃であった日数はわずか7日だけだし、その後は庶民として暮らしたので、史実でも暮らしぶりがよくわかっていない。
そういう女性を主人公にしているので、『七日の王妃』はフィクションの割合がとても多くなっている。それでも、パク・ミニョンが悲劇の王妃を美しく情感豊かに演じているので、これほどの人気作になったのである。
その一方で、燕山君(ヨンサングン)がクーデターで王宮から追われていく過程は朝鮮王朝の重大事件として詳細に記録されているので、『七日の王妃』も後半から終盤にかけては史実を背景にしたストーリーになる部分が増える。そういう意味でも、後半の物語が本当に楽しみである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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