あれから、もう16年の歳月が流れている。随分と前のドラマになるが、どうしても取り上げたいのが2006年に韓国で放送された時代劇の『ファン・ジニ』だ。
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主演は主人公ファン・ジニを演じたハ・ジウォンだが、ドラマを見ていて釘付けになったのがチャン・グンソクのピュアな存在感だった。
彼は、美しいファン・ジニに一目ぼれする両班の息子ウノを演じていた。当時の彼は19歳。ファンタジーの世界から抜け出してきたような美男子だった。
しかし、『ファ・ジニ』の撮影中ではチャン・グンソクは苦悩の中にいた。ベテラン俳優の重厚な演技に圧倒されたチャン・グンソクは満足に食事を取れないほど重圧を感じていた。さらに、彼を苦しめたのが、現代では使われない古語のセリフだった。それを覚えるのも必死だった。
チャン・グンソクといえば、子役から活躍して19歳といえども演技の経験はたくさんあった。そんな彼でも、やはり時代劇の演技は別モノだったようだ。
それでも、チャン・グンソクは集中力を持ち続けてウノを演じきった。劇中、ウノは身分の違いによって親から強烈な反対を受けてファ・ジニとの愛を守り抜くことができず、恋やつれの末に命を落としてしまう。それは本当に涙なくしては見られないような悲劇であったが、恋の苦悩を演じきったチャン・グンソクの演技力は見事であった。
こうして大人の俳優として成長を見せたチャン・グンソクは、『快刀ホン・ギルドン』を経て、『美男〈イケメン〉ですね』で大ブレークを果たした。以後、『メリは外泊中』『ラブレイン』などで活躍したあと、『テバク~運命の瞬間(とき) ~』で演技派ぞろいの俳優陣の中でも骨太な歴史巨編の主人公を堂々と演じた。
そのチャン・グンソクも、兵役期間の空白があったとはいえ、新作ドラマから4年ほど遠ざかっている。
果たして、いつチャン・グンソクの新しい主演ドラマを見られるだろうか。それが『テバク~運命の瞬間(とき) ~』のような壮大な歴史ドラマだったら本当にうれしい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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