韓国の男優の中には、低音を心地よく響かせてくれるスターが多い。実際に取材で間近に聞いて感激したのがイ・ビョンホンだった。
【写真】魔性の声と繊細な感情表現にファン急増の俳優イ・ソンギュン
あれは、映画『王になった男』の日本公開に合わせた記者会見のとき。入場したイ・ビョンホンの第一声が会場に低く響いた瞬間、記者の間からどよめきが起こった。感激するほど声に張りがあったからだ。
間違いなく、イ・ビョンホンは素敵なイケボ(イケメンボイス)である。当時は、他にもペ・ヨンジュンやハン・ソッキュの声がとても評判が良かった。彼らはスター性、キャリア、低音の響きのどれをとってもレジェンド級のイケボだ。
そんな大先輩に続くイケボは誰だろうか。
ファンによって好みが分かれるだろうが、誰が聞いてもそのイケボぶりに感心する3人を取り上げてみよう。
まずは、若手からヨ・ジングだ。
彼は天才子役から一気に大人のスターとして成長したが、主演作で見せる演技はすでに本格派俳優の貫禄を持っている。
特にドラマ『王になった男』では、国王の光海君(クァンヘグン)と道化師の1人2役を巧みに演じ分けたが、声の響きを役に合わせて変えて説得力のある演技をしていた。しかも、どんなセリフでも重低音と呼べるほど声が素晴らしく、ドラマを重厚に彩っていた。
まさに「若手のイケボ」の代表格と言えるだろう。
そのヨ・ジングと『テバク~運命の瞬間(とき)』で共演したチャン・グンソクも、ウットリする声の持ち主だ。ルックスは華やいだ雰囲気が漂うが、声の質は低音で太く味わいが深い。兵役から除隊しても新作がまだないが、ぜひ新しいドラマでイケボぶりを発揮してほしい。
そして、イケボのナンバーワンはイ・ソンギュン。
まさに、低く艶がある声は「神ボイス」という表現がピッタリだ。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』では、イ・ソンギュンが演じたドンフンはIUが扮したジアンに盗聴されるのだが、その携帯電話から流れるイ・ソンギュンの声はゾクゾクするような究極の低音ボイスだった。まさに、盗聴でイ・ソンギュンの声を聞き続けるというのは、耳からとことん酔いしれる最高級のドラマ設定であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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