女優コ・ソンヒに注目!!『風と雲と雨』での見事な“七変化”

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『風と雲と雨』は19世紀後半の朝鮮王朝が舞台になっている。当時、第25代王・哲宗(チョルジョン)が統治していたが、この哲宗は王権が弱く、実質的には安東(アンドン)キム氏の一族が政治を牛耳っていた。ドラマでは壮洞(チャンドン)キム氏に置き換えられているが、こうした政治的な混乱を背景に、運命に翻弄されていく男女を魅惑的に描いたのが『風と雲と雨』である。

特筆すべきは、主役コンビがとても魅力的なことだ。

パク・シフは朝鮮王朝最高の易術師となったチェ・チョンジュンを演じていて、『王女の男』以来9年ぶりに時代劇に主演した彼は、カリスマ性あふれる演技で主人公の強烈な生き方を縦横無尽に見せてくれた。

そして、人の運命そのものを見極めるという霊感が強いヒロインのイ・ボンリョンに扮したのが、コ・ソンヒである。

【PHOTO】『風と雲と雨』で女優コ・ソンヒのカリスマが爆発!!

コ・ソンヒは『夜警日誌』の演技で高く評価された若手の本格派女優。『夜警日誌』以後も大活躍した彼女は、『風と雲と雨』で6年ぶりに再び時代劇に登場し、運命的なラブロマンスを壮大なスケールで演じている。

ドラマ『風と雲と雨』より(写真提供=© 2020 TV Chosun)

コ・ソンヒは霊感が強い王女をどのように魅惑的に演じたか

それにしても、コ・ソンヒは本当に多彩な表現力を持った女優である。

彼女が扮したイ・ボンリョンという女性は、本来なら地方に住む巫女の娘であった。しかし、彼女の母はかつて哲宗に愛された過去があり、そのときに生まれたのがボンリョンなのだ。

つまり、ボンリョンは翁主(オンジュ)だったのである。翁主とは国王の側室が産んだ王女を意味していて、国王の正室が産んだ王女は公主(コンジュ)と呼ばれていた。まさにボンリョンは一介の娘ではなく、翁主という王族だったわけだ。

だが、それゆえに不遇の日々を過ごしたボンリョンでもあった。実権を握っている壮洞キム氏は彼女を軟禁状態にして政治的に利用しようとしたのだ。

それでも鉄のように強い気持ちで母やチョンジュンのことを思い続けるボンリョン。

しかし、病弱な哲宗を引き継ぐ次期国王の選定が混迷する中で、チョンジュンとボンリョンの愛は何度も引き裂かれてしまう。このあたりは見ていても、とても切なかった。それでも、2人はかけがえのない愛を守ろうとして必死に生き抜いていく。

こうした不変の愛を演じたコ・ソンヒの演技は迫力満点だった。ときには高貴な王女になり、ときには激しい感情を高ぶらせる強い女性になった。

ドラマ『風と雲と雨』より(写真提供=© 2020 TV Chosun)

その度にコ・ソンヒは七変化にたとえられる多彩な表現力で、ドラマを大いに盛り上げていた。

また、『風と雲と雨』では、王族のキーパーソンとしてチョンジュンとボンリョンの2人に立ちはだかる興宣大院君(フンソンデウォングン)をチョン・グァンリョルが演じている。

この名優を相手に、コ・ソンヒは一歩も引かない存在感を見せた。そうした役づくりは見事であり、コ・ソンヒの俳優としての感性も素晴らしかった。

ドラマ『風と雲と雨』より(写真提供=© 2020 TV Chosun)

『風と雲と雨』は時代の荒波に立ち向かう2人の究極の愛が描かれていくが、パク・シフとコ・ソンヒが演じた運命的なラブロマンスは、韓国時代劇の歴史に残る名演技であった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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