イ・ヨウォンには、生まれながらにして持った気品がある。
清楚な雰囲気もある。
こうした資質は、女優として絶対にプラスだ。そういう意味で、イ・ヨウォンは「天性の女優」ということもできる。
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早くから、若手の中でも本格的な女優として評判が良かったが、決定的に評価を高めたのが『善徳女王』であった。
この時代劇は大ヒットして、新羅の初の女王を華麗に演じきったイ・ヨウォンは、いちやくビッグネームを得ることができた。
そうなると、出演作を決めるときに慎重になる。「どんな役でもいい」というわけにはいかないのだ。
特に、イ・ヨウォンはしばらく時代劇を避けたいと思っていた。『善徳女王』で演じた役のイメージがあまりに強すぎたからだ。
そんな彼女に、イ・ビョンフン監督が『トンイ』の次作として企画していたドラマから出演オファーが来た。
さすがの「時代劇の巨匠」は、イ・ヨウォンの時代劇への適応力を高く評価していたのだ。
さあ、イ・ヨウォンは迷った。果たして、どうすべきなのか。
まず、彼女はイ・ビョンフン監督とじっくり話し合ってみることにした。その際に、イ・ヨウォンは自分に対する高い評価に感激した。
さらに、新しい視点を取り入れた医療ドラマという特徴に心を揺さぶられた。こうして、イ・ヨウォンは避けたいと思っていた時代劇に再び出演することを決意した。もちろん、巨匠と一緒に演じてみたいという女優魂があったことも事実だ。
以来、イ・ヨウォンは鍼の打ち方や韓医学の基本知識を積極的に学びながら、『馬医』で演じる医女のチニョンをしっかりと演じていった。
彼女が『馬医』に出演して特に感心したのは、イ・ビョンフン監督の登場人物のキャラクター作りだった。どのキャラクターも多面性があり、人間の奥深さを備えていた。当然ながら、イ・ヨウォンもイ・ビョンフン監督と常に相談しあいながら、各場面によって変化していく心理状態を的確に表現するように努めた。
こうして、イ・ヨウォンが演じたチニョンは生き生きとしたキャラクターになり、ドラマを大いに盛り上げることになった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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