テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『カンテク～運命の愛～』では、国王イ・ギョン（キム・ミンギュ）と大君イ・ジェファ（ト・サンウ）が対立する場面が数多く出てくる。
何といっても2人は、チン・セヨンが演じるカン・ウンボを愛しているのだ。
特にイ・ジェファの場合は、ウンボの心を引き寄せようとして必死でお互いに恋敵なので対立するのも仕方がない。
もう1つ事情がある。
イ・ジェファはもともとイ・ギョンが亡くなった後の国王として、王宮に入ってくるはずだった。
しかし、いざ来てみると、銃で撃たれたはずのイ・ギョンが生き返っていて再び国王として君臨することになった。つまり、イ・ジェファは宙ぶらりんの状態になってしまったのだ。
それでも、なんとか「大君」という尊称をいただいて、国王に次ぐ立場を得ることができたが、国王になるという野望を捨てたわけではなかった。
実際、国王を排斥しようとする人間たちはイ・ジェファを大いに利用しようとしてくるのだった。そんな難しい立場となっている大君のイ・ジェファだが、もともと大君というのは正室が産んだ国王の息子を意味している。
ちなみに、側室が国王の息子を産むと「君」になる。有名な燕山君（ヨンサングン）や光海君（クァンヘグン）が「君」になっているのも、国王の息子とはいっても側室から生まれているからだ。
イ・ジェファの場合は、決して国王の息子ではないのだが、特別にその名前が与えられて、ナンバー2を証明しているわけだ。
このナンバー2であるイ・ジェファが、国王と対立するというところが『カンテク』というドラマのとても面白いところだ。
つまり、王朝のナンバー1とナンバー2が政治的にも恋のライバルとしてもつばぜり合いを演じていく。そのときにカン・ウンボは、2人の間で苦悩を深めるばかりだった。
もちろん、国王のほうが情勢は圧倒的に有利なのだが、イ・ジェファの巻き返しも半端ではない。
終盤に向けて2人の男の争いが本当に見ものだ。
文＝大地 康
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