ドラマ『七日の王妃』では、パク・ミニョンが美しく端敬(タンギョン)王后を演じ、とても印象的だった。
パク・ミニョンといえば、ラブコメの演技で大人気を獲得しているが、時代劇で悲劇の王妃を演じたときもすばらしい演技だった。そういう意味では、『七日の王妃』はパク・ミニョンという印象が強かった。
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しかし、もう1人強烈な印象を残したのが『七日の王妃』で燕山君(ヨンサングン)を演じたイ・ドンゴンだった。
イ・ドンゴンといえば、現代劇でスマートなイケメンを演じることがとても多い。洗練されたセンスを持っていて、多彩な表現ができる俳優としても定評がある。そんなイ・ドンゴンが『七日の王妃』では歴史的に暴君としてあまりに有名な燕山君を演じきっていた。
とにかく燕山君といえば、歴史的には多くの官僚たちを虐殺した極めつけの暴君だった。しかも張緑水(チャン・ノクス)という悪女を側室にした結果、贅沢三昧をして国家の金庫を空にしてしまった。とにかく悪評まみれの国王なのだ。
最終的には1506年にクーデターで王宮を追放されて島流しになり、その後はわずか2カ月で死んでしまった。
そんな燕山君を演じるとあって、あのスマートなイ・ドンゴンがどのように変化していったのだろうか。
とにかく憎たらしい演技だったと言える。異母弟の中宗(チュンジョン)をイジメるときも、本当にひどい有様だった。そういう横暴な態度は端敬王后に対しても変わらなかった。
ドラマを見ていた人たちが「あのイ・ドンゴンがここまで憎たらし演技ができるのか」と思えるほど、イ・ドンゴンは演技に没頭して憎まれ役を究極的に演じきっていた。普段は人のいい役が多いだけに、そのギャップもまた強烈だった。
それだけに、イ・ドンゴンも遠慮なく徹底的に演じることができただろう。『七日の王妃』はパク・ミニョンのドラマであり同時に、とことん憎まれ役に徹したイ・ドンゴンのドラマでもあった。
文=大地 康
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