シム・ウンギョンの子役時代は特に印象的だった。目元がクリッとした可愛い女の子で、ペ・ヨンジュンが主演して2007年に制作された『太王四神記』では、主役の1 人だったイ・ジアが扮したスジニの幼少期を演じていた。
『太王四神記』は古代の高句麗が舞台になった時代劇だが、13歳だったシム・ウンギョンは本当に愛嬌がある顔だちで、ドラマの序盤で目立つ演技をしていた。
【関連】テレ朝『七人の秘書』にも出演へ!!女優シム・ウンギョンの演技とは?
その次にシム・ウンギョンに注目したのは、2011年の映画『サニー 永遠の仲間たち』だった。主人公のイム・ナミは実力派女優のユ・ホジョンが演じたが、その高校時代に扮したのがシム・ウンギョンだった。
彼女は地方からソウルに転校してきた役を演じていて、訛りが強烈ですぐに同級生からいじられていた。そんな場面でシム・ウンギョンはオドオドしながら急に豹変してしまう芸達者ぶりを見せて大いに笑わせてくれた。当時からセンスは際立っていた。
それだけに、2014年の『怪しい彼女』に主演したときは大いに期待できたし、それ以上の名演技を見せてくれた。なにしろ、老女が急に娘に変わってしまうという映画であり、「精神的には老女で見た目は娘」というアンバランスな役をシム・ウンギョンがテキパキとこなしていた。やはりこの映画でも、子役時代から培った演技の経験が大いに役立っていた。
こうして韓国でも着々と実績を積み重ねていたシム・ウンギョンだが、日本映画が大好きだったこともあり、韓国を飛び出して日本にも果敢に進み出て、2019年に『新聞記者』で松坂桃李と共演した。
驚いたのは、ずっと日本語で演技を通したこと。これは、なかなかできることではない。しかし、シム・ウンギョンは見事にやってのけて、社会派の傑作と評された『新聞記者』で堂々と大活躍する女性記者を演じきっていた。
そんなシム・ウンギョンの作品を振り返ってみると、時代劇だった『太王四神記』での可愛い姿が目に焼きついている。演技センスがあるだけでなく、独特の愛らしさを持った女優なのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
【写真】『チャングム』女優イ・ヨンエがスッピン姿を披露!! 変わらぬ自然美が話題
前へ
次へ