韓国時代劇『雲が描いた月明り』で、主人公のイ・ヨンを演じたパク・ボゴム。彼はドラマの中でイ・ヨンを魅力的に演じきったのだが、そのキャラクターをパク・ボゴムはどう分析したのかを見てみよう。
パク・ボゴムはイ・ヨンについてこう分析していた。
「イ・ヨンは少し気難しくて堂々としているのですが、内面はとても力強くて温かさを持っている人物です。一見すると冷たそうに見えても、内面はそうではないというところに魅力を感じました。また、年は若いのですが、非常に強靭な心を持っているというところでも学ぶことがたくさんありました」
「しかし、イ・ヨンという人物を考えると、胸が痛んでしまった部分がありました。というのは、彼は、その場から引きずりおろそうとしている人たちに取り囲まれていたからです。宮廷の中で信じられる人物というのは、いつも側にいてくれるチャン内官と妹しかいなかったのです」
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こう語るように、パク・ボゴムはイ・ヨンの「明」と「暗」の両面を捉えて、そのコントラストを鮮やかに演じ分けていた。それによって、イ・ヨンというキャラクターに深みが出た。
パク・ボゴムはさらに、「イ・ヨンは、家臣たちからは無力な王子と見られていたかもしれません。それをあえて彼自身が演じていた部分もあると思います」と語って、イ・ヨンの心の底にまで思いを馳せていた。
それゆえに、イ・ヨンを演じながら見えてきたこともあったという。
「世間知らずな世子(セジャ)の姿を演じながら、その中で家族を守っていこうとする彼の気持ちを忠実に考えながら演じていました。そして、一見冷たく響くかもしれない彼の言葉の中に、誰よりも大きな真心が込められていて、その中には温かい気持ちが秘められているということに気づきました」
イ・ヨンというキャラクターはドラマの進行につれて成長を遂げていた。
それは、パク・ボゴムが、イ・ヨンというキャラクターをゆっくりと育てていた部分もあった。
「イ・ヨンという人物は、置かれた状況に応じて、出会う人々に対する接し方が少しずつ変化していきます。そのあたりをうまく演じ分けられるように気を付けていました」
イ・ヨンを演じるにあたりパク・ボゴムは重圧を感じた。それでもパク・ボゴムには大きな充実感があったという。
「イ・ヨンは若い年齢で世子になって後に王になる人物なのですが、その若い年齢で非常に大きな責任感や重圧感を背負っていたということです。本当に素敵な人物だということを感じました」
いずれにしても、パク・ボゴムがイ・ヨンを演じたことが『雲が描いた月明り』の大ヒットにつながったことは間違いない。
パク・ボゴム自身が分析をしてイ・ヨンの魅力を引き出せていたからこそ、あれだけの演技ができていたのだろう。
文=大地 康
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