『トンイ』鮮烈の水汲みエピソードはどんな史実に関わっているか

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『トンイ』では、9月9日と9月10日の第27話・第28話で主人公トンイ(演者ハン・ヒョジュ)が王宮の水汲みをする場面が描かれた。

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それは、義州(ウィジュ)から戻ったトンイが粛宗(スクチョン/演者チ・ジニ)に会いたくても、その方法がなかったからだ。そこで、トンイは王宮で人手不足になっている水汲みになりきって、王宮に入っていったのである。

こうした場面を見ていて、史実をストーリーに巧みに取り入れていると思えた。なぜなら、トンイのモデルとなっている淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)は、もともと王宮で水汲みをするムスリ(下働きをする女性)だったという説があるからだ。

実際、水汲みは大変な重労働だったために、女官はやらなかった。専門の下働きの女性が担当していたのだ。しかも、王宮で一番水が必要だったのが、洗濯と衣類の手入れを担当した洗踏房(セダッパン)という部署だった。それゆえ、『トンイ』でも水汲みをしていたトンイは洗踏房の仕事をしていた。このあたりも史実に合う話であった。

なお、ムスリは国王の前には絶対に出ることができない身分である。そうであれば、粛宗と淑嬪・崔氏は果たしてどこで出会ったのだろうか。野史(民間で伝承されている歴史)でよく伝えられているのは以下のような話だ。

『トンイ』
『トンイ』で主人公を演じたハン・ヒョジュ

粛宗と淑嬪・崔氏の関係の深さ

粛宗が夜眠れないときに王宮の中を散策していると、灯がついている部屋があった。気になって中をのぞくと、若い女性がご馳走を作って必死に祈っていた。

粛宗が「何をしているのか」と尋ねたら、「今日は仁顕王后の誕生日でございます。今は王宮におられませんが、私がこの場で代わって祝っております」と若い女性が答えた。粛宗は心から感心し、女性に好意を持った。その女性こそが後の淑嬪・崔氏である…。

このエピソードの真偽は定かでない。真実とは思えないところもあるが、こういう話が野史に残っていることが、粛宗と淑嬪・崔氏の関係の深さを物語っている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン) 

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