【究極セレクション】悪女10人対決/「王族悪女」VS「非王族悪女」どちらが巨悪なのか

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王宮の権力争いの中で歴史に名を刻んだ悪女たち。彼女たちの行動は、時に冷酷であり、時に悲劇的だ。そして、何よりも、あまりにワルだった。そんな悪女たちを、立場に応じて「王族悪女」と「非王族悪女」に分けて論じてみよう。

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〔王族悪女5人〕

●文定王后

中宗(チュンジョン)の三番目の正妻であった文定(ムンジョン)王后は、継子であった仁宗(インジョン)を毒殺した疑いが極めて濃い。彼女が摂政を行った際、多くの民衆を見殺しにし、権力への執着と冷酷さを示した。まさに最悪の女帝。その支配は、血のにじむような策謀と恐怖によって成り立っていた。

●貞純王后

英祖(ヨンジョ)の二番目の正妻である貞純(チョンスン)王后は、思悼(サド)世子の餓死事件に関与し、後には正祖(チョンジョ)の政敵として暗躍した。彼女の陰謀は多くの血を呼び、虐殺事件の背後には常にその影があった。権力にしがみつく貞純王后は、まさに冷酷な政治の象徴だった。

●廃妃・尹氏

成宗(ソンジョン)の側室から王妃に昇格した尹氏(ユンシ)は、側室を殺害しようと画策し、さらには国王の顔を激しく引っかいたことで悪評が絶えなかった。激情に駆られた行動が波紋を呼び、最終的に廃妃とされて死罪となった。愛と嫉妬に翻弄された彼女の人生は、哀しき激情の果てに終焉を迎えた。

●純元王后

純祖(スンジョ)の正妻であった純元(スヌォン)王后は、実家である安東(アンドン)・金氏(キムシ)一族に政治権力を独占させた。結果として朝鮮王朝は腐敗し、王権が形骸化していった。彼女の政治的影響力は強大であったが、その支配がもたらしたものは、衰退と堕落に他ならなかった。

●和緩王女

英祖(ヨンジョ)の娘である和緩(ファワン)王女は、兄である思悼世子が餓死する悲劇的な事件の裏で暗躍したとされる。その確執は深く、兄妹の間には決して埋まらないほどの溝があった。彼女の存在は、王家に渦巻く嫉妬と陰謀の象徴ともいえる。

純元王后(左)と金介屎(右)
『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』に登場する純元王后(写真=©STUDIO DRAGON CORPORATION)と『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』に出てくる金介屎(写真= © 2021 MBN. All Rights Reserved)

〔非王族悪女5人〕

●張緑水

燕山君(ヨンサングン)の側室であった張緑水(チャン・ノクス)は、暴君と共に贅沢に耽溺し、国の財政を破綻へと導いた。彼女の華やかな生活は、民衆の涙と犠牲の上に築かれたものであった。それでも、王が廃位されると、彼女もまた処刑の運命から逃れることはできなかった。

●張禧嬪

張禧嬪(チャン・ヒビン)は、粛宗(スクチョン)の側室から王妃へと昇格したが、その後、再び側室へと降格された。そして、仁顕(イニョン)王后を呪い殺すための儀式を行ったと告発され、最終的には死罪となった。美貌と野心を武器に頂点へとのぼりつめた彼女は、同じ野心に呑み込まれて破滅したのである。

●鄭蘭貞

文定王后の忠実な手先であった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)は、己の野心を満たすために数々の悪行を重ねた。殺人すらも私利私欲の道具とした彼女だったが、文定王后が世を去ると、支えを失い、自ら命を絶った。その生涯は、権力を失った悪女の哀れな末路を物語っている。

●貴人・趙氏

仁祖(インジョ)の側室であった貴人(キイン)・趙氏(チョシ)は、昭顕(ソヒョン)世子の毒殺の黒幕とされる。その悪行は、王朝を大きく揺るがし、混乱を引き起こした。彼女の冷徹さと計算高さは、人々の記憶に深く刻まれている。

●金介屎

光海君(クァンヘグン)を陰で支えた金介屎(キム・ゲシ)は、王の兄弟や対抗勢力を次々と粛清し、血塗られた政権を築いた。その策略と冷酷さは、後世に恐怖と共に語り継がれている。だが、権力に取り憑かれた彼女もまた、最後には処刑の運命を免れなかった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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