【『チャングム』の痛快な歴史エピソード】国王の顔を激しく引っかいた王妃とは誰?

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』は、7月30日の第30話で、女官のヨンセン(パク・ウネ)が中宗(チュンジョン)の承恩(国王が寵愛する女性と一夜を共にすること)を受けるシーンがあった。

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ここで面白いエピソードがあったので紹介しよう。

ヨンセンが中宗に会う前にお付きの女官たちによって、身のまわりをきれいに整えられていた。その時にヨンセンは指の爪をしっかりと短く切られていた。それが「国王にお会いになる前の大切な身だしなみだ」とヨンセンは女官から聞かされた。

この話を聞いて思い出したのが、かつての王妃が犯した「とんでもない不敬罪」だ。それは、どんな話なのか。被害にあったのは、中宗の父親だった9代王・成宗(ソンジョン)である。彼の二番目の妻が尹氏(ユンシ)なのだが、この王妃は側室を呪い殺そうとして謹慎処分を受けたことがあった。

精神がきわめて不安定だった尹氏。たまたま様子を見に来た成宗が、尹氏によって激しく顔を引っかかれて大きな傷を作ってしまう、という不祥事が発生した。結局、尹氏はこの不敬罪が大問題となって廃妃になった。朝鮮王朝で廃妃になった女性はたくさんいるが、一番最初だったのがこの尹氏なのである。

チャングムの誓い
この中宗の承恩を受ける女性はかならず指の爪を短く切られた

中宗にとってトラウマとなった出来事

尹氏の産んだ息子が悪名高き燕山君(ヨンサングン)。この暴君がクーデターによって王位を追われた後に新しく国王になったのが中宗である。このように、中宗は異母兄の燕山君の廃位によって誕生した国王なのだ。

中宗も側室が多い国王であり、承恩に招いた女性も多かった。そうした女性は必ず爪を短く切られたことだろう。中宗の父親が王妃によって激しく顔を引っかかれた出来事がトラウマになっていたからである。

こういうネタをストーリーに入れるのだから、『宮廷女官チャングムの誓い』も本当に歴史エピソードを巧みに取り入れている。そこがまた、このドラマが面白さを際立たせているところだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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