【波乱万丈な敬恵公主】朝鮮王朝で最も魅力的だと称賛された王女の人生とは?

2023年12月21日 歴史 #康熙奉コラム #写真
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朝鮮王朝時代の女性を主人公にしたドラマは数多くあるが、「この人をヒロインにしたドラマを見たい」と熱望できる対象が敬恵(キョンヘ)公主(コンジュ/国王の正室が産んだ王女)である。

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彼女は「朝鮮王朝で一番美しかった王女」と言われているが、それ以上に注目されるのが、ドラマチックな人生を歩んでいることだ。

『王女の男』ではホン・スヒョンが敬恵公主に扮していたが、あくまでも脇役であった。今度は彼女を主人公にすれば、面白い時代劇が作れると確信できる。それでは、どこがドラマチックなのだろうか。 

敬恵公主は5代王・文宗(ムンジョン)の長女である。弟が6代王・端宗(タンジョン)だ。彼女は王女として幸せに過ごしていたのだが、文宗が1452年に亡くなって弟が国王になってから人生が激変してしまった。叔父の首陽大君(スヤンデグン)が国王の座を狙って端宗にプレッシャーをかけるようになったからだ。

さらには、首陽大君が政権の重臣たちを排除するクーデターを起こし、一気に王朝の権力を手中におさめてしまった。甥の端宗も譲位せざるをえなくなって、首陽大君は7代王・世祖(セジョ)となった。

『王女の男』ではホン・スヒョンが敬恵公主を演じた

時代劇にもピッタリのキャラ

敬恵公主は本当に辛い境遇となった。端宗は死罪となり、敬恵公主も奴婢(ぬひ)にまで身分を下げられてしまった。それだけではなかった。夫が謀反の罪をかぶせられて処刑された。そんな悲劇の中で、敬恵公主が身ごもっていることが明らかになった。世祖は側近に対して「男子が生まれたら殺せ」と命令していた。

実際、敬恵公主が産んだのは男子であった。生まれたばかりの子は死ぬ運命を課されたのだ。しかし、世祖の正室があまりに気の毒に思い、「女子が生まれた」と世祖に嘘の報告をした。その上で、生まれた男子を秘かに育ててあげた。その後、敬恵公主は罪を許されて高貴な身分に復帰することができた。すべて世祖の正室のおかげであった。

こうした敬恵公主には歴史的なエピソードがたくさんあるので、時代劇にもピッタリのキャラだ。彼女を主人公にしたドラマを早く見てみたい。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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