【哀れな悪女】権力を裏で操った金介屎がたどった最期の運命とは?

2023年11月19日 歴史 #康熙奉コラム #写真
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朝鮮王朝では悪事を働いた女官がたびたび出てくるが、その中で強烈な個性を発揮していたのが金介屎(キム・ゲシ)だった。この金介屎のことは『華政(ファジョン)』でキム・ヨジンが演じていて、『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』ではソン・ソンミが扮していた。どちらのドラマでも金介屎はアクの強い悪女として描かれていた。

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果たして、史実の金介屎はどんなことをやったのだろうか。

もともと彼女は16世紀の末、王宮の女官となった。彼女の仕事ぶりは驚くべきもので、その能力の高さにより、まもなくして、14代王・宣祖(ソンジョ)の注目を集めるに至った。

その当時、王は長男の臨海君(イメグン)と次男の光海君(クァンヘグン)の間で、誰を世子(セジャ/王の後継者)に選ぶかという重大な決断を迫られていた。最終的に、光海君が世子に選ばれることとなった。それは、能力において兄の臨海君を凌駕していたのが光海君だったからだ。

宣祖の継妃である仁穆(インモク)王后が1606年に永昌大君(ヨンチャンデグン)を出産したことは、国の運命に大きな影響を与えた。光海君は、王の側室の子である庶子であったが、永昌大君は正室の子、すなわち嫡子だった。

『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』ではソン・ソンミが金介屎を演じた(写真= © 2021 MBN. All Rights Reserved)

斬首される運命

王は永昌大君を次の世子とする計画を立てていたが、1608年に突然の死を迎え、その夢は叶わなかった。わずか2歳の永昌大君が王位に就くことは不可能であり、結果として光海君が15代王として即位することになった。

そんな光海君を金介屎が強力に支えた。彼女は王位の安定のために、暗躍を重ねた。まずは、臨海君が王位を狙っていると見抜き、先手を打って1609年に彼を暗殺。さらに、仁穆王后の父である金悌男(キム・ジェナム)を死罪に処し、永昌大君を流罪にした後、1614年に残酷な方法で命を奪った。彼女はオンドルを異常なまでに熱くして焼き殺すという凄惨な手段を選んだのだった。

まさに「悪魔」のような存在であった金介屎。1623年、仁祖(インジョ)によるクーデターで光海君が廃位されると、悪事が露見した彼女は斬首される運命をたどった。

彼女の行動は権力の座にある者の運命を左右し、その結果、自身も破滅の道を歩むこととなった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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