【歴史コラム】『ポッサム』に登場するキム・ゲシは悪魔のような女性だったのか

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チョン・イルとクォン・ユリが主演している『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』を見ていると、悪女として強烈な意地悪さを見せているのが、ソン・ソンミが演じている女官のキム・ゲシだ。

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彼女は尚宮(サングン)として光海君(クァンヘグン)を支える大物である。なぜ、それほど力を持っていたのか。それは、彼女の経歴を見るとよくわかる。

キム・ゲシはもともと、光海君の父親だった14代王・宣祖(ソンジョ)に従っていた女官だった。とにかく頭が良かったので、宣祖にとても気にいられた。

彼女は、宣祖の後継者の座を巡る争いが激化した際、しっかりと光海君の側に立っていた。原則的には、宣祖の側室が産んだ長男・臨海君(イメグン)が世子の座を継承する可能性が極めて高く、二男の光海君は不利な立場にあった。

しかし、キム・ゲシが舞台裏で緻密な策略を巡らせ、光海君が世子になる流れを作り出した。彼の立場が一気に上がったわけではないが、キム・ゲシの手助けが、彼にとって有利な状況をわずかでも作ったのは間違いない。そうした結果、光海君が世子に選ばれた。

ソン・ソンミがキム・ゲシを演じた(写真= © 2021 MBN. All Rights Reserved)

手段を選ばない悪女

1606年、宣祖の正室が息子・永昌大君(ヨンチャンデグン)を出産。これを受け、宣祖は正室の子を優先し、世子の座を光海君から永昌大君に変更しようと思案した。しかしながら、1608年に宣祖がこの世を去り、状況が大きく動いた。幼き2歳の永昌大君が王位を継ぐことは困難であった。結果として、当初の予定通り、光海君が王位を手中にした。

それでもなお、宿敵とも言える臨海君と永昌大君の両者とその背後の勢力が、光海君から王位を奪おうと画策していた。この情勢を敏感に察知したキム・ゲシは、迅速に行動を起こし、1609年に臨海君、1614年には永昌大君の命を奪った。

このように、キム・ゲシは目的を達成するために、まったく手段を選ばない悪女であった。そうした悪魔のような手口も『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』でたびたび見られるようになるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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