テレビ東京の韓流プレミアで放送中の『赤い袖先』。9月27日の第19話では、王宮に奉職している宮女たちの哀しみを象徴するようなエピソードが披露されていた。それは、イ・セヨンが演じるソン・ドギムの親友であるキム・ボギョン(イ・ミンジが演じている)のことだった。
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ボギョンはもともと大殿(テジョン)で仕える宮女だ。つまり、国王の世話をする係だったのである。そのあたりは、イ・サンが主人となる東宮(トングン)とは違った。ソン・ドギムはこの東宮で働いていたが、イ・サンが国王になったことにともなって、彼女たちはそのまま大殿に移っている。そして、国王になったイ・サンに今までどおり仕えていくのだ。
しかし、もともと大殿で働いていた宮女たちの場合は、英祖(ヨンジョ)が亡くなったことで、働く場を失ってしまうケースが多かった。ボギョンもその1人だった。
仕方なく彼女は王宮を出て食堂で働くことになった。その様子を見に行ったソン・ドギムは、ボギョンのことが気の毒に思えて辛くなった。それゆえ、ソン・ドギムは、イ・サンと勝負事をして勝ったら大事な願いを叶えてもらえる約束をした。
こうしてボギョンを再び王宮に呼び戻すことができたのだが、現実はなかなかそういうわけにはいかない。国王の死はそのまま宮女の失職につながってしまったのである。
それ以外にも、病気になったり年老いたりしたら、何の保障もなく宮女が王宮から出されてしまう例もあった。宮女たちは10歳以前の幼い年齢で見習いとして王宮に入ってきて、「国王と結婚した女性」と見なされて他の男性と結婚もできなかった。それなのに、実際の立場は不安定で王宮を出される危険性にさらされていた。
そうした哀しみを抱えていた宮女だけに、『赤い袖先』で一度は王宮を出されたボギョンが再び王宮に戻ってこられて嬉しかった。たとえドラマの話とはいえ、宮女の境遇が助かるエピソードというのは、本当に心が救われる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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