【王妃の命運】仁顕王后が受けた「七去之悪」の罠とは?

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朝鮮王朝の世子(セジャ)は「皇太子」と同じ意味である。つまり、国王の正式な後継者なのであり、国王が亡くなった時点ですぐに即位する。すると、世子嬪(セジャビン/世子の妻)も王妃に昇格する。

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こうして王朝で最高位の女性になった王妃であるが、その身分は決して安泰とは言えなかった。過去に国王から離縁されて「廃妃」となった女性が何人もいる。その中で、「離縁の理由」が異様だったのが、19代王・粛宗(スクチョン)の妻であった仁顕(イニョン)王后であった。『トンイ』では仁顕王后をパク・ハソンが演じていて、多くの視聴者に記憶されていることだろう。

その仁顕王后のことだが、彼女は1689年に「廃妃」にされている。その理由はなんであったのか。実際は粛宗が張禧嬪(チャン・ヒビン)を王妃にしたくて仁顕王后を離縁したのだが、表向きは理由が違った。「七去之悪(チルコジアク)」という悪法を根拠にしたのである。

「七去之悪」とは何であろうか。それは、夫が妻を離縁して追い出すための7つの条件を指すものだ。なんと、朝鮮王朝時代において法律として確立されていたのである。その条件とは、「夫の両親に従わなかった」「子供を生まなかった」「淫行を犯した」「嫉妬の気持ちが強かった」「健康を損ねた」「不適切な言葉を発した」「盗みを行なった」というものだ。

この条件の中に一つでも該当すれば、夫は妻を無条件で追い出すことが許されていた。この規則は、高貴な王妃にも適用されたのである。

『トンイ』ではパク・ハソンが仁顕王后を演じた

嫉妬の感情を出してはならない

嫉妬の心が芽生えただけで離縁されるという厳格さ。王妃も容易な立場とは言えない。宮中の歴史でも、嫉妬を理由に王妃の座を追われる出来事が起こり、現実的に仁顕王后が被害者となった。このような理由での離縁は、「なんでも女性は離縁の対象になってしまう」という厳しい現実を示唆している。

したがって、国王が数多くの側室を持っていたとしても、王妃は決して嫉妬の感情を表に出してはならなかった。精神的には本当に辛かったであろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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