『哲仁王后』に登場する「怪しい趙大妃」は果たして何者なのか

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BSテレ東で放送中の『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』で強烈な個性を発揮しているのが、チョ・ヨニが演じている趙(チョ)大妃(テビ)だ。

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彼女はドラマの中でも本当にワケありの女性だ。大妃という立場なので、本来は国王の母親を意味するのだが、キム・ジョンヒョンが演じている哲宗(チョルジョン)は厳密に言うと息子ではない。彼はペ・ジョンオクが演じている大王大妃(テワンテビ)が戦略的に連れてきた国王なのである。

しかし、血が繋がっていなくても立場上では哲宗の母親としての身分を持っている。それでも趙大妃は大王大妃とは何かといがみ合っている。それには明確な理由があって、2人は出身一族が全く違うのだ。大王大妃は安東(アンドン)・金(キム)氏の一族であり、趙大妃は豊壌(プンヤン)・趙(チョ)氏の出身だ。

この2つの一族は19世紀中盤の王宮において激しく主導権争いをしていた。つまり権力闘争の代理人のような立場だったのが大王大妃と趙大妃なのである。

とはいえ、王族の最長老として大王大妃の権力は絶大だ。趙大妃にとって大王大妃は姑にも当たるわけで、表向きには歯向かうことはできない。そこが趙大妃のつらいところだ。

チョ・ヨニが演じる趙大妃(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

趙大妃の怪しい動き

もともと趙大妃は大王大妃の息子であった孝明(ヒョミョン)世子の妻。しかし、夫は1830年に21歳で亡くなり、趙大妃は絶望を味わった。それでも必死に生き、後に息子が憲宗(ホンジョン)として即位して大妃になった。

その憲宗も世を去り哲宗が国王になったのだが、趙大妃もかなり気が強い性格であり、大王大妃に黙って従うつもりはない。実際、王宮の中の人間関係を巧みに利用しながら、趙大妃は大王大妃の失脚を狙うような動きも見せる。このあたりの対立関係はドラマの重要な背景になっており、シン・ヘソンが扮する哲仁王后もこうした騒動に巻き込まれていく。

とにかく、趙大妃はマッチポンプのような策士であり、彼女が次々に繰り出してくる怪しい動きからは絶対に目が離せない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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