【国王はつらいよ】激務だった朝鮮王朝の国王は毎日なにをしていたのか

2022年12月29日 歴史 #康熙奉コラム #写真
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朝鮮王朝の国王は27人いたが、平均寿命は46歳だった。意外と短い、と思える。なにしろ、国王の業務は1万種類に及ぶと言われており、大変な激務であった。

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最高の栄養を取りながら平均寿命が長くなかったのは、やはりストレスと激務が関係していたと思われる。

そんな国王の毎日の起床時間は朝5時前後であった。

最初に重要な儀式がある。それは、衣冠を整えて祖母の大王大妃や母の大妃に挨拶に行くことだ。これは絶対に欠かせない。儒教社会は年長者を敬うことが一番大事だからだ。それは国王も同じだ。

朝食の後には、学問の修練がある。大切なのは儒教の経書を読むこと。特に、儒教の解釈を学問討論する時間があり、ここで儒教の真髄に触れていく。

『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』ではキム・ジョンヒョンが哲宗を演じた(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

国王としての威厳

朝の学問が終わると朝会が行なわれた。まず、高官たちの謁見を受けて、重要な政治課題を話し合った。さらに、各部署別の業務報告を聞き、必要があれば適切な指示を出したり王命を発したりした。

午後になると地方に派遣される官僚たちを謁見し、地方の統治問題を論議した。そして、民間からの嘆願書に目を通し、庶民の生活に配慮していく。

午後の4時頃には夜間護衛兵の名簿をこまかく点検し、護衛で重要となる合言葉を決めた。これは国王が自分を守るための重要な日課だった。

以後、夕方にも学習と討論をした後、大王大妃や大妃に夜の挨拶をして日課を終わらせた。

自分で自由になる時間は、寝る前の2時間くらいだった。この時間に、気に入っている側室の部屋を訪ねたりした。

このように、1日のスケジュールは過密なのだが、極端な運動不足でもあった。それは、どんな動作も国王はゆっくり行なわなければならなかったからだ。それが国王としての威厳を保つ所作であった。

激務、ストレス、運動不足……これが日常なのだから、やはり平均寿命が46歳であったのも仕方がなかった。まさに「国王はつらいよ」という毎日であった。『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』でキム・ジョンヒョンが扮した哲宗(チョルジョン)は、史実では激務と酒で命を縮めてしまい、32歳で亡くなってしまった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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