朝鮮王朝は初代王・太祖(テジョ)が1392年に建国して、1910年まで518年も続いた。その歴史の中で27人の国王が君臨したのだが、平均寿命は46歳であった。50歳に満たなかったのだ。大変な激務だったこともあり、平均的に寿命が短かったのも仕方がなかった。
【関連】『ヘチ』でチョン・イルが演じた英祖は一体どこが凄い国王だったのか
その一方で、平均寿命よりはるかに長く生きた国王たちもいる。誰が該当したのか。ランキングで見てみよう。
◆国王長寿ランキング
1位 21代王・英祖 82歳(1694年~1776年)
2位 初代王・太祖 73歳(1335年~1408年)
3位 26代王・高宗 67歳(1852年~1919年)
4位 15代王・光海君 66歳(1575年~1641年)
5位 2代王・定宗 62歳(1357年~1419年)
以上のような結果になったが、最も長寿だったのは82歳まで生きた21代王・英祖(ヨンジョ)である。必然的に、彼は在位期間も国王の中で一番長く、1724年から1776年までの52年間に及んでいる。
半世紀以上の在位というのは、27人の国王の中でもダントツだった。
また、英祖は名君としても有名である。彼が即位した1724年は権力をめぐる派閥争いがとても深刻だった時期だ。彼は各派閥から平等に人材を登用する政策を実行して、官僚の意識を高めて善政を続けた。その結果、英祖が王位にいた52年間は、朝鮮王朝の中でとても民衆の暮らしが安定していた。
英祖に次いで長寿だったのが、初代王の太祖(テジョ)だ。彼はもともと高麗(コリョ)王朝の武将だったのだが、自らの手で高麗王朝を滅ぼして1392年に朝鮮王朝を作った。
太祖は、これまで重んじられていた仏教ではなく儒教のほうを国教に採用した。厳しい身分制度を認める儒教は、太祖がめざした政治によく合っていたのである。こうして朝鮮王朝の進むべき道を示した太祖は、1398年に63歳で退位し、1408年に73歳で世を去った。
意外に長寿だったのが光海君(クァンヘグン)である。彼は1623年にクーデターを起こされて廃位となったが、屈辱に耐えて18年間も生き続け、長寿ランキングの4位に入っている。本当に辛抱強い人だったのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】半島史で「太祖」と呼ばれる人物は2人いた! 誰とダレ?
前へ
次へ