燕山君(ヨンサングン)の悪政があまりにひどくなったとき、官僚たちの間でクーデターを計画する動きが起こった。その首謀者は、朴元宗(パク・ウォンジョン)と成希顔(ソン・ヒアン)と柳順汀（ユ・スンジョン）の3人だった。
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彼らは１５０６年９月１日、燕山君が行幸に出る日にクーデターを起こすことを決定した。そして、着々と準備を進めたのだが、燕山君の都合で行幸が急にとりやめになってしまった。
仕方がないので、朴元宗たちはクーデターをいったん延期することに決めた。その直後、朝鮮半島西南部の全羅道（チョルラド）で反乱が勃発しそうだという消息が伝わってきた。
そうなると、朴元宗たちは、燕山君を廃位に追い込む際に主導権を握れるかどうかがわからなくなる。
「全羅道で主導権を取られたら困る。こちらが先に王宮に攻め込もう」
そのように意見が一致し、クーデター派は予定通り計画を実行に移すことにした。
そう決まってからの動きは素早かった。
彼らは真っ先に、燕山君の異母弟の晋城大君（チンソンデグン）の屋敷に向かった。燕山君を廃位に追い込んだ後、晋城大君に新しい国王に就いてもらうためだった。
ところが、クーデターを知らされていなかった晋城大君は、大勢の武人が急に屋敷を取り囲んだので仰天してしまった。
「命を奪われる」
晋城大君は震えた。彼は燕山君が送ってきた武人に殺されると覚悟したのだ。
今までに燕山君から辛辣な脅迫を受けており、彼は極端に燕山君を恐れていた。
気が弱い晋城大君は自害まで考えた。それを必死で止めたのが夫人の慎（シン）氏だ。『七日の王妃』でパク・ミニョンが演じているシン・チェギョンのことだ。
こうして、慎氏の機転によって晋城大君は自害をしなくて済むようになり、命拾いした。
事情を把握した晋城大君だったが、クーデターに加担することはできないと断った。彼は、自分が燕山君の廃位を狙ったと思われることに拒否反応を示したのだ。
結局、晋城大君とクーデター派の意見はまとまらず、朴元宗たちは晋城大君の許可をもらえないまま王宮への攻撃を始めた。
『七日の王妃』では、ヨン・ウジンが演じる晋城大君は、自ら燕山君の廃位を望んでいたし、その急先鋒の1人だった。しかし、実際はドラマの描き方と史実とでは大きく違っていたのである。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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