朝鮮王朝の16代王として知られる仁祖(インジョ)。2021年に韓流プレミアで放送された『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』では、王として即位する前の綾陽君(ヌンヤングン)として登場していた。
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ちなみに、この『ノクドゥ伝』で綾陽君と演じていたのは俳優のカン・テオで、役名はチャ・ユルムだった。
そんな綾陽君はどのような経緯で王となったのか。そして、仁祖として即位したあとは何をしたのだろうか。
仁祖の歴史を語るには、先王である15代王・光海君(クァンヘグン)の統治していた時代にさかのぼる必要がある。
当時の綾陽君は王である光海君のことを憎んでいた。なぜなら、自分の弟である綾昌君(ヌンチャングン)を謀反の罪で処刑されていたからだ。
1623年にクーデターを起こした綾陽君は、ついに憎き光海君を王の座から追放することに成功した。
こうして、16代王・仁祖として即位した綾陽君。クーデターを成功させた王として期待されていたが、功臣である李适(イ・グァル)が反乱を起こすなど、彼の治世は非常に厳しいものとなった。
1627年、朝鮮半島の北方に位置していた後金が朝鮮半島に攻めてきた。李适の反乱で国防が手薄になっていた朝鮮王朝は後金を迎え撃つ。
当時、朝鮮王朝が崇めていたのは中国大陸の明(ミン)で、それ以外の異民族を「辺境の蛮族」と見下してしまったのだ。
それに怒った後金の猛攻によって朝鮮王朝は敗北してしまう。その後、軍事力の強化など体制を整えて復讐の機会を狙っていた仁祖だが、1636年に後金は国号を清と改めて12万の軍を連れて再び攻めてきたのである。
その清に対して必死に防戦をする朝鮮王朝だが、結局は勝てなかった。
清に降伏した仁祖は、漢江(ハンガン)の川沿いにある三田渡(サムチョンド)で清の皇帝に謝罪をすることになった。
その方法というのが、3回ひざまずいて9回頭を地面にこすりつけるという屈辱的なものだった。さらに、自分の息子3人も人質として清に連れていかれてしまった。
『ノクドゥ伝』ではその出来事は描かれなかったが、史実での清に対する仁祖の恨みは相当深かったことは間違いないだろう。
文=大地 康
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