視聴率40%を超えた人気時代劇『太陽を抱く月』の序盤の場面が忘れられない。
それは、ヨ・ジングが世子(セジャ)を演じていて、その妻を選抜する「カンテク」という儀式のシーンで見せた2人の子役の演技が強烈だったのだ。その2人とは、1人がキム・ユジョンであり、もう1人がキム・ソヒョンだった。
すでにキム・ユジョンは『トンイ』で天才子役ぶりを発揮しており、『太陽を抱く月』でもヒロインの子供時代を華々しく演じていた。一方のキム・ソヒョンはカタキ役であり、案の定、『太陽を抱く月』でもカンテクで敗北する役だった。
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それでも、キム・ソヒョンはドラマで悔しくて仕方がないという演技を辛辣に演じていて、凄まじい印象を残した。とにかく、子供ながら目の力が目立っていた。それが忘れられなくて、以後もキム・ソヒョンの演技に注目していた。
彼女は順調に成長し、大人の女優となってからは、特に時代劇ですばらしい活躍を見せてきた。
『仮面の王 イ・ソン』ではユ・スンホと共演して意志の強いヒロインを演じ、多様な表現力は同世代の女優の中でも群を抜いていた。
そして、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』では、チャン・ドンユンが扮するノクドゥと奇妙な同居生活をするツンデレ女子のドンジュに扮した。
この役は、ラブコメの中でも緊迫感がある場面を何度も演じなければならなかった。特にタチの悪い両班(ヤンバン)を相手にするときは死を覚悟して自分の意志を示す必要があった。そういう場面で見せるキム・ソヒョンの演技は、もはや20代前半にして本格派女優の貫禄があった。
とはいえ、緊張感だけではない。ドンジュはノクドゥと徐々にラブロマンスを繰り広げていくが、そのときのキム・ソヒョンの表情はドキドキするような抒情性があった。そのあたりがとても興味深い。
キム・ソヒョンが主演するドラマはこの『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』の他に、NHK・BSプレミアムで毎週日曜日に放送されている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』がある。
このように、時代劇のヒロインとして強烈な存在感を見せているキム・ソヒョンは、まさに「時代劇クイーン」という名にふさわしい。本当に魅力的な女優だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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