今や時代劇に欠かせないヒロインとなったキム・ソヒョン。NHK・BSプレミアムで放送中の『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』でも主役としての演技がとても好評だ。
そんな彼女を見ていると、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』に出演していたときと雰囲気がかなり違っていると実感できる。そこで、両ドラマでのキム・ソヒョンの演技スタイルを比較してみよう。
『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』は2019年の制作だった。当時の彼女は、ふっくらした印象をかもしだしていた。
このドラマでキム・ソヒョンが演じたドンジュという役は、光海君(クァンヘグン)に家族を殺されて復讐を狙っていた。それゆえ、勇ましく弓を放つ場面もあり、勝ち気な性格をのぞかせていた。その一方で、チャン・ドンユンが扮したノクドゥと激しいラブロマンスを繰り広げていて、スイートな愛情表現を見せる場面も多かった。
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このように、強い感情と繊細な愛情の両面を持った女性がドンジュであり、その中でもキム・ソヒョンは抒情的な感性を優先させて演技をしているように思えた。そういう意味で『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』のキム・ソヒョンは、ラブロマンスの印象がとても強かった。
一方の『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』ではどうか。
このドラマでは、初回からキム・スヒョンが演じるピョンガン王女を過酷な運命が苦しめていた。その結果、彼女は記憶喪失になり、王女だったのに一転して刺客になってしまった。
役柄からキム・ソヒョンは眉間にシワを寄せた演技が多くなった。また、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』のときより顔が引き締まり、女性ながら精悍な表情に変わっていた。
共演のナ・イヌが演じるオン・ダルはとても柔らかい感性の持ち主で、場をなごませるキャラなのだが、そんな彼に相対するときのピョンガン王女は、刺客としてニコリともしない。終始、表情から険しさが消えることがなかった。
厳しい境遇に置かれている立場がそうさせているのである。『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は物語が進むにつれて、ピョンガン王女がどう変わっていくのか。今後はその点にも注目していきたい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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