『カンテク~運命の愛~』で描かれた「カンテク」はどんな儀式?

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テレビ東京の韓流プレミアで、3月25日からは『カンテク~運命の愛~』が放送される。

この時代劇は、王宮を舞台にした壮大な歴史絵巻なのだが、タイトルにあるように「カンテク(揀択)」という儀式が重要なキーワードになっている。

そこで、「カンテク」がどんな儀式なのかを紹介しよう。

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そもそも「カンテク」というのは、王妃や世子嬪(セジャピン/世子[セジャ]の妻)を選ぶときの公式的な行事のことだ。非常に重要な儀式なので、王朝が総力を挙げて実施していた。

最初に行なわれるのは、禁婚令を公布することだ。つまり「カンテク」が行なわれている間に適齢期の女性は絶対に結婚できないのだ。

写真=TV朝鮮『カンテク~恋人たちの戦争(原題)』韓国ポスター)

「カンテク」の実態

この場合は両班(ヤンバン)の娘だけでなく、庶民も禁婚令が適用されていた。

ただし、実際に「カンテク」に選ばれるのは両班の娘だけだ。この場合は、家柄が特に重要になるわけで、庶民が王妃や世子嬪になることはあり得なかった。

それが、身分制度が厳格だった朝鮮王朝時代の限界であった。

そして、適齢期の女性を持った両班から詳しい身上書が出され、そうした書類を詳しく調べたうえで、20人から30人くらいの女性が「カンテク」の候補となる。

そうした候補は、容姿や性格などが詳しく調べ上げられて6人ほどが二次審査に進んだ。

この審査でもさらに、人物像や細かい動作などが調べられ、最終的に3人の候補に厳選される。

この3人は甲乙つけ難い女性たちであり、最終段階で国王や王妃を始めとする王族の長老によって、一番誰が適任かを選ばれていく。そして残った1人が王妃や世子嬪になっていくのである。

辛いのは最終審査で外れた2人である。生涯にわたって結婚できないとされてしまった。ただし、そうした女性の中から国王の側室になる人も多かった。

以上が「カンテク」という儀式の内容なのだが、今までの時代劇ではあまり取り上げられてこなかった。

それだけに、『カンテク~運命の愛~』を通して「カンテク」の実態が明らかになっていくだろう。それは、とても興味深いことだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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