日本でも根強い人気を誇る韓国時代劇ドラマ『トンイ』、物語が進んで中盤頃になると、主人公トンイは、朝鮮王朝・第19代王の粛宗(スクチョン)の命により、宮廷内の女官たちの中でも地位が高い承恩尚宮(スンウォンサングン)となる。
トンイのモデルである淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)が承恩尚宮という役職があったと言われている。
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そもそも王族以外で宮中内で暮らす女性たちは、身分が高い順に品階が与えられ権威が区別されていた。品階のトップは正一品で、品階の最後は従八品である。
品階は8つに分かれ、「正」と「従」があるので合計で18段階となる。
品階の上位を見ていくと、正一品から従四品までは側室に与えられ、例えば側室になったばかりならば従四品となるし、国王の王子を産めばほとんど正一品となった。
このように側室が正一品から従四品まで占めた後、正五品から女官に与えられた。正五品に属する女官は尚宮(サングン)と呼ばれ、さまざまな尚宮があった。
・女官全体を統括する提調(チェジョ) 尚宮
・女官の言動を監督する監察(カムチャル) 尚宮
・王と王妃の側に付き添い世話をする待令(テリョン) 尚宮
・書籍の管理や文書の朗読、筆写を行なう侍女(テニョ)尚宮
・王子や王女の教育に当たる保姆(ボモ)内人を監督した保姆尚宮
・王妃と世子嬪が実家から連れてきた腹心の本房(チェクパン) 尚宮
などが主な尚宮の呼び名と職務だった。
では、承恩尚宮とは何か。正式な側室ではないが「王と同寝する尚宮」のことを言った。つまり、王の寵愛を受けた尚宮のことでドラマ『トンイ』も粛宗のトンイに対する愛の証として、承恩尚宮という品階を与えたと見ればよいかもしれない。
ちなみに『宮廷女官チャングムの誓い』などでは最高(チェゴ)尚宮という役職が登場するが、それはドラマ上の創作で実際にはなかった。
構成=韓ドラ時代劇.com編集部
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