『暴君のシェフ』王様イ・ホンとヨンヒ君は別人? 名前でわかる「王の業績」

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Netflixで配信中のドラマ『暴君のシェフ』。視聴率から話題性まで席巻している同作で物語の中心を担っているのが、イ・チェミンが演じる王様イ・ホンだ。

冷徹な暴君でありながら、絶対味覚の持ち主で、しかも、カリスマを放つ姿の裏に母の死に絡む復讐心と孤独を抱えている。

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劇中では朝鮮王朝時代にタイムスリップしてしまったフランス料理シェフのヨン・ジヨン(演者イム・ユナ)が心の中で彼のことを何度か「ヨンヒ君」とつぶやくが、それもフィクションであることを明確にするための処置だと思われるが、ヨン・ジヨンに「ヨンヒ君」と呼ばれたイ・ホンは「それは誰のことだ。そなたは誰のことを申しているのか」と、まったく自分だと思っていないのはなぜか―。

(画像=tvN『暴君のシェフ』)

それは現代に伝わる朝鮮王朝の王の名は死後に贈られた諡(おくりな)であり、本人が生前にその諡で呼ばれることはない。つまり、ヨン・ジヨンはイ・ホンの諡を知っており、逆にイ・ホンは自身の諡を知らないので、「誰のことかわからない」ということになるわけだ。

ちなみに朝鮮王朝の27名の王たちの諡には特徴がある。

よく見ると、王様たちの諡には「祖(チョ)」「宗(チョン)」「君(クン)」という文字のいずれかが付いている。これらの違いをわかりやすく解説すると、王としての業績の順で変わってくる。

「祖」と「宗」の違いは諡を贈るときの政治状況が反映されていて、かならずしも業績が正当に評価されたものではないが、たとえば民族固有の文字ハングルの創製を主導して今では“朝鮮王朝最高の聖君”と呼ばれている4代王・世宗(セジョン)は、亡くなった直後はまだハングルの価値が高くなかったので、「祖」ではなく「宗」が付けられている。

その一方で、外国から侵攻を受けたときに不手際が多かった王でも、一応は国が滅ばずに済んだという名目で「祖」が付けられている。14代王・宣祖(ソンジョ)や16代王・仁祖(インジョ)がそうだ。その後の歴史的評価では、到底「祖」にふさわしくないように思えるのだが……。

このように、歴代の王の業績は時代によってかなり違った形で受け止められるわけだが、変わらないのが「君」の諡だ。君がついている王はいわば廃位となった王であり、尊号が贈られなかったので元来の通称名で今も呼ばれている。

朝鮮王朝27名の王様たちの中で「君」がついているのは2名のみ。そのうちのひとりが第10代王・燕山君(ヨンサングン)と15代王・光海君(クァンヘグン)だ。くしくもふたりはクーデターによって追放された王なのだが、『暴君のシェフ』の王様イ・ホン=ヨンヒ君は、第10代王・燕山君(ヨンサングン)をモチーフにしていると言われている。

それだけに今後の展開はいかに。100%フィクションのキャラクターとはいえ、燕山君をモチーフにしているとされているだけに、イ・ホン=ヨンヒ君の行く末とその結末が気になるところだ。

構成=韓ドラ・時代劇.com

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