『暴君のシェフ』王イ・ホンの母の死罪とも酷似。廃妃・尹氏の残酷な運命【韓ドラになった歴史人】

このエントリーをはてなブックマークに追加

『暴君のシェフ』でイ・チェミンが演じる国王イ・ホンは、燕山君(ヨンサングン)をモデルにしている。ドラマの中で彼の母は死罪になった。それは、まさに歴史上の廃妃(ペビ)・尹氏(ユンシ)を彷彿させる。そこで、彼女について詳しく見てみよう。

【関連】『暴君のシェフ』ヨンヒ君=ヨンサングンの母の死の真相。知っておきたい「史実」

9代王・成宗(ソンジョン)の二番目の妻になった尹氏は、嫉妬心が強い女性だった。彼女は成宗の側室を呪い殺そうとした。その行為は宮廷の掟を破る大罪であり、やがて成宗の寵愛を失うこととなった。

成宗は側室の部屋ばかりを渡り歩き、尹氏のもとを訪れることはなかった。彼女の胸に募る孤独と寂寥は、日々深く積み重なっていった。

しかし、時が流れるうちに、成宗の心にも微かな変化が芽生えた。彼は久しぶりに尹氏の部屋を訪ねたいと思うようになった。王妃にとって、それは再び寵愛を取り戻す千載一遇の好機であった。だが、運命は残酷に背を向けた。

尹氏が成宗の顔を引っかいたという衝撃的な事件が起きてしまったのだ。激情的な彼女の性格が、この時ついに破滅の形をとって現れたのであった。その無礼は宮中に波紋を広げ、大問題へと発展した。

『暴君のシェフ』
『暴君のシェフ』でイ・チェミンが演じているイ・ホン(写真=韓国tvN)

廃妃の烙印を押された王妃

結局、尹氏は王宮を追放され、廃妃の烙印を押された。彼女は実家で質素に暮らし、日々過ちを悔いる気持ちを募らせた。成宗もまた、遠く離れた廃妃の存在を忘れることはできなかった。

「もし改心しているなら、もう一度王宮に戻してやろうか…」と、彼は思い悩んだのである。そして成宗は使者を派遣し、「生活態度を確かめてこい」と命じた。

実際に尹氏は心から反省していた。しかし、その真実は闇に葬られた。成宗の母・仁粋(インス)大妃が立ちはだかったのである。大妃はかねてより尹氏が嫌いで、「息子を駄目にする女」と見なしていた。そこで彼女は使者を脅し、「何の反省もなく、贅沢な暮らしをしていたと伝えよ」と迫った。

使者は逆らうことができず、その言葉のまま成宗に報告した。国王は烈火のごとく怒り、尹氏に死罪を命じた。こうして後の10代王・燕山君の実母であった尹氏は1482年に絶命した。

【廃妃・尹氏の人物データ】

1445~1482年

主な登場作品()内は演じている女優
『韓明澮 ~朝鮮王朝を導いた天才策士~』(チャン・ソヒ)
『王と妃』(キム・ソンリョン)
『宮廷女官チャングムの誓い』(イ・ジュヒ)
『インス大妃』(チョン・ヘビン)
『七日の王妃』(ウ・ヒジン)

文=大地 康

【関連】『暴君のシェフ』のモチーフとなったヨンサングンはどんな人?

【関連】『暴君のシェフ』ユナ撮影現場オフショット8連発に反響【PHOTO】

【関連】朝鮮王朝の三大暴君の3人はどれほど酷かったのか

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事