ベテラン女優たちが魅せる!今秋を豊かにする末永く美しい友情物語『最後のピクニック』

このエントリーをはてなブックマークに追加

2人の女性の末永く美しい友情物語が、この秋を豊かなものにする。

9月12日から公開されている韓国映画『最後のピクニック』がそれだ。同作は韓国の芸術・独立系映画の歴代ヒット記録を5年ぶりに更新した、この秋注目の話題作だ。。

【関連】映画『サニー』女優たち、14年ぶりの集結に胸アツ!

物語は、ソウルに暮らすウンシム(演者ナ・ムニ)が故郷の南海(ナメ)に60年ぶりに戻り、親友グムスン(演者キム・ヨンオク)のもとに身を寄せることから始まる。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

亡き母との思い出を辿りつつ、学生時代の自分に恋をしていたテホ(演者パク・クニョン)とも再会して楽しいひと時を過ごす彼女だったが、同時に故郷を離れる理由にもなった波乱の人生が明らかに。

そして、ウンシムとグムスンが互いに直面した心身の現実を知ったとき、ふたりは“最後のピクニック”に出かけるのだった。

本作品で際立っているのはまず、ロケ地・南海(ナメ)の美しさだ。韓国の“宝島”とも呼ばれるこの地域は、広大な海、緑広がる景色、そしてレンガ色の屋根の建物が調和を成している。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

それらを数々のロングショットで捉えることで壮大な景観が一層鮮明になる。なかでも、綺麗な海を前に立つウンシム、グムスン、テホの3人を捉えたショットが印象的だ。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

また、制作サイドが地方での撮影にこだわったのは、もうひとつの意味がある。今作では韓国社会が抱える地方の再開発問題に触れることも忘れていない。

再開発によって以前の街の姿を失う危機に瀕した故郷。過疎化、高齢化が進むなかで、街としてどのように生き生きとした姿を残していくべきかという人々の葛藤についても描かれていて、考えさせられる。

美しさだけではない、現実的な側面が露わになっていく物語。その流れの中で描かれるのが、一般的に焦点の当たりにくい「年配の女性同士の友情」であることもこの作品の魅力だ。映画『怪しい彼女』のナ・ムニ、ドラマ『イカゲーム』のキム・ヨンオク。80代の大ベテラン女優たちの名演が随所で光る。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

なかでも友情の微笑ましい一面として、長年の親友同士であるからこそ繰り出す“ガールズトーク”が微笑ましい。。

例えば、寝る間際にグムスンが乳液を塗りすぎだと笑うウンシムの姿からは、若い頃からじゃれ合いに似た会話を続けてきた関係性が伝わってくる。軽快な音楽を背景に、ユーモラスに描かれるちょっとしたやりとりに魅了される。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

年配の女性が主人公なだけに、老いに関する悩みも必然的に登場する。本作でもウンシムとグムスンの2人は老いを度々実感し、年を取ることの闇にも直面する。過度に理想化されることなく、老いていく自分と真摯に向き合う登場人物たちの姿からは、観客たちは何を感じているだろうか。

© 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

「韓国の宝島」と呼ばれる南海を舞台にした、年配女性たちの友情物語。その行く末をスクリーンで確認し、誰かと語り合うきっかけになればと思う。

なお、映画『最後のピクニック』は9月12日、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開される予定だ。

文=水落さくら

【関連】韓国女優の“リアル美容法”が話題!キム・ナムジュらが明かす美肌メンテ術とは

【画像】「ウルセラより効果大」イ・ヨンエ(54)、“年に3回打つ”美肌の秘訣

【比較写真】ソン・ヘギョは10年前と顔が変わらない?「歳をとらない」40代の韓国女優3選

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事