【時代劇のハングル活用術】国王と家臣たちの専門用語を日韓2カ国語で紹介しよう

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韓国時代劇で演じられた様々な国王……とても印象深かったのが、『赤い袖先』でジュノ(2PM)が演じた22代王のイ・サンだ。当時の国王は、「神」に近いほどの絶対権力者であり、正式には「주상(チュサン/主上)」と呼ばれていた。

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朝鮮王朝の正式な歴史書『朝鮮王朝実録』の記述を見ても、家臣が国王に呼びかけるときには「주상」を使っている。また、王宮の中で国王の世話をする人たちの間では、国王について正式に「전하(チョナ/殿下)」と呼びかけている。

厳密に言うと、絶対権力者の場合は「폐하 (ペハ/陛下)」というのが最大の敬称である。実際に古代の三国時代の時代劇では国王が「폐하」と呼ばれている。この時代は、中国に対して気兼ねする必要がまったくなかったからだ。それどころか、中国と争うことも多かった。むしろ敵国になっていたりしたのだ。

しかし、朝鮮王朝では事情が違った。中国の皇帝こそが「폐하」であり、朝鮮王朝の国王はそれに次ぐ存在として「전하」を使っている。このように、朝鮮王朝は国王の敬称問題でも慎重に対応していたのである。

なお、国王は自分自身のことは正式に「과인(クァイン/寡人)」と言っている。字幕ではよく国王が自分を呼ぶときに「余」を使うが、韓国では「과인」で通している。

『赤い袖先』
『赤い袖先』でジュノ(2PM)が扮したイ・サンは立派な国王だった(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)

時代劇でよく聞かれる言葉

また、朝鮮王朝では国王の正式な継承者は「세자(セジャ/世子)」と称される。この場合の敬称は「저하(チョハ/邸下)」となる。
次に、国王が使う言葉を見ていこう。

まず、国王が家臣を呼ぶときのセリフは以下のとおりだ。

・「이리 오너라」(イリ オノラ/こちらへ来なさい)

次に、国王が家臣に対して発言を促すときは明確に次のように呼びかけている。

・「말씀 드려보거라」(マルスム トゥリョボゴラ/申してみよ)

以上のように、国王が命令口調で語るときは語尾が「~라」(~しなさい)となっている。

こうした言葉も、時代劇を韓国語で見るときによく聞かれる言葉である。現代語とは違うのでわかりづらいが、注意して時代劇を見ていればすぐに覚えることができるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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