韓国ドラマの中には、財閥の御曹司・令嬢がよく登場する。最近では、『涙の女王』で財閥家の栄光と没落が興味深く描かれていた。このドラマのように、御曹司・令嬢の暮らしぶりがドラマを彩る背景には、財閥に対する大衆の複雑な感情も交差している。そこで、韓国の現代史を振り返って財閥の成り立ちを見てみよう。
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1950年から1953年まで起こった朝鮮戦争が、財閥が誕生するきっかけだった。当時、三星(サムスン)、現代(ヒュンダイ)、ラッキー金星(現在のLG)などの企業は、韓国軍に軍需物資を調達するために設立された。戦争が終わると、今度は生活必需品を生産することで、その基盤を固めた。
以後の軍事政権は、政治的に経済活動を規制した。韓国政府はどの産業にどの企業が参入できるかを決めていた。
さらに、銀行を持つことを禁じられていた財閥は、政府から資金を割り当ててもらう必要もあった。政府に嫌われた企業は経済界で生き残ることができず、結果的に政府と癒着関係にある企業だけが成長していった。
そうやって巨大化していった財閥だが、問題が多いのも事実だ。なんといっても、資本と経営が分離されていなかった。そのため、創業者による同族世襲経営が頻繁に行われるようになった。
一族の人間だからというだけで、経営能力がないのにトップや経営陣になる場合が多かった。そのあたりは、『涙の女王』に出てくる財閥家の状況を見ているとよくわかることだろう。
また、同族経営のために外部からのチェック機能が弱く、結果的に財閥家の暴走を許すことになってしまった。こうした事例が相次いで、反発を抱いている人々が多い。
一方で、日本以上に学歴社会だと言われる韓国では、高学歴・高収入のエリートたちが働く財閥はステータスであり、羨望の眼差しで見られている。確かに、ドラマに出てくる華やかな立場に憧れを抱く人も多いのだ。このように、財閥は「反感」と「羨望」の対象になっている。
構成=康 熙奉(カン・ヒボン)
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