朝鮮時代末期に設立された韓国初の西洋式病院『済衆院』。ドラマは実在の記録をひもときながら、当時の複雑な社会情勢や医療事情、歴史ノンフィクションを織り交ぜながら、開化期の激動の朝鮮時代を描いている。
19世紀末の朝鮮社会は、身分制度崩壊の時期を迎えていた。ドラマの主人公であるファン・ジョンは架空の人物だが、一番身分の低い白丁(ペクチョン)出身で、韓国で初めて外科医として多くの患者の治療をほどこした実在の人物であるパク・ソヤンがモデルとなっている。
ドラマの中で、ファン・ジョン役に扮するのが映画界で活躍してきたパク・ヨンウ。さらにヒロインのユ・ソンナン役を、『朱蒙』で大ブレイクしたハン・ヘジンが演じる。
そしてファン・ジョンのライバルとなる両班出身のペク・ドヤン役をヨン・ジョンフンが好演。また、朝鮮時代末期の数多くの政変も描かれており、近代へと移行する時代背景にも注目だ。
最下級の身分・白丁の息子として生まれたソ・グンゲ(のちのファン・ジョン、パク・ヨンウ)は、結核で苦しむ母の薬代を稼ぐために闇の仕事に手を染めてしまう。
一方、両班の息子であるペク・ドヤン(ヨン・ジョンフン)は、西洋医学にあこがれて、独学で勉強に励んでいた。
ある日、ドヤンは闇解体をしたソグンゲを見逃すかわりに、禁じられている解剖を命じる。だが、すべての証拠を消し去るために、手下にソグンゲを殺すように指示を送るのだった。
ソグンゲはファン・ジョンと名乗る官僚の衣服と身分証を盗んで逃亡するが、銃で撃たれてしまう。完全に瀕死の状態に陥った彼を助けたのは、ドヤンが想いを寄せるユ・ソンナンとアメリカ人医師のアレンだった。
ソグンゲはソンナンの父で通訳官であるユ・ヒソとアレンの手術によって命を助けられる。そんななか、朝廷の重臣ペク・テヒョンは息子のペク・ドヤンが西洋医学を目指すことに反対し対立していた。
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