コロナ禍も明け、海外旅行も気軽に行けるようになった昨今。
韓国に行く機会が多くなった方も多いのではないだろうか。定番の行き先といえばソウルや釜山。そろそろ新しい観光地を開拓してみたい、韓国の地方都市にも行ってみたい人におすすめなのが「大邱」(テグ)だ。
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現在、大邱国際空港への直行便が就航しているのは、成田国際空港・関西国際空港・福岡空港。大邱国際空港はコンパクトな空港なので、荷物受け取りにも時間がさほどかからずスムーズに出られるのも嬉しいポイントだ。
さらに、釜山にある金海国際空港からも、20~80分間隔で東大邱ターミナルまで向かうリムジンバスが運航しており、実は日本からも行きやすい都市なのだ。
今回は学生時代に1年間、大邱へ留学した経験を持つ筆者がおすすめしたい定番スポットやイベント、ドラマのロケ地を紹介していきたいと思う。
【基本情報】
◆どこにある?
ソウルから南東に約300km、釜山から北に約120kmのところに位置する韓国第三の都市
◆どんな場所?
北に八公山(パルゴンサン)、南に大徳山(テドクサン)がある盆地。ゆえに韓国で一番暑い地域といわれている。別名、デプリカ(テグ+アフリカをあわせた造語)
◆大邱国際空港から中心地へ向かうには?
・大邱国際空港2番ゲート出てすぐのバス停から101番バスに乗車
・~東大邱駅、東大邱駅地下道1で下車、所要時間は約15分(1,250ウォン)
・~東城路(トンソンロ)、大邱駅前で下車、所要時間は約30分(1,250ウォン)
◆おすすめ料理
チムカルビ(甘辛骨付きカルビ)、マクチャン(直腸、大邱のマクチャンは豚!)など
【おすすめスポット】
◆大邱薬令(ヤンニョン)市場
大邱市内の中心部に位置する全国3大韓方薬材専門市場のひとつ。最寄り駅の地下鉄1・2号線半月堂(パンウォルダン)駅からは徒歩3分ほどで到着する。
約350年以上の歴史がある約800mの通りには、韓医院や韓方薬材卸売店がところ狭しと軒を連ねている。通りに入ると一気に韓方薬の匂いが鼻を通り、私にとって「あぁ、大邱に来たんだな」と感じることのできる場所だ。
韓方通りの西側にはシンボルの薬令西門(ヤンニョンソムン)、さらに薬令市の歴史を学べる入場料無料の薬令市韓医薬博物館や、韓国の伝統茶が味わえる韓方喫茶店などもあり、ソウルとは一味違う体験ができるエリアでもある。毎年5月にはさまざま体験プログラムが用意された大邱薬令市韓方文化祭りも開催されている。タイミングが合う方はぜひ参加してみてほしい。
◆Ghost Books、책빵고스란히(独立書店)
まず「Ghost Books」は、中区慶尚監営キルのビル3階にある独立書店。本の企画・制作を行う独立出版社でもある。リトルプレス作品や書籍のほかに、ポスターやカードなどの雑貨なども販売。定期的にブックトークや展示も開催している。店名にもある「おばけ」をモチーフにしたキャラクターが描かれた看板が目印。
「책빵고스란히」は中区三徳洞に位置する独立書店。ビーガンのベーカリーショップ兼本屋さんだ。地下には1階で購入したパンやコーヒーを楽しめるカフェスペースも。刻々と変化していく環境や気候変動に対してどのような行動を起こしていくべきなのか。そんなことを考えるきっかけにもなる場所だ。
◆キム・グァンソク通り
1989年にソロデビューし1996年に31歳の若さで亡くなった、大邱出身の韓国の伝説的なシンガーソングライター「キム・グァンソク」のメモリアルストリート。最寄り駅は地下鉄2号線の慶大病院駅で、徒歩約10分。通りのスピーカーからは彼の名曲が流れており、約350mにわたって彼や彼の歌にまつわる壁画アートが並んでいる。
◆慶北大学校
筆者の私情をはさんでしまい恐縮だが、大邱に行った際にぜひ訪れてほしいのが慶北大学校(何を隠そう私の交換留学先)!広大なキャンパスにはピクニックができる芝生広場や、入場料無料の慶北大学博物館など学生以外にも開かれている。北門には学生が通うカフェやご飯屋も多くあり、かなりリアルな韓国の大学生活を肌で感じられるのではないかと思う。
【イベント】
◆チメクフェスティバル
2013年にスタートした、大邱頭流公園一帯で毎年7月頃になると開催されているイベント。「チメク」はチキンとビール(韓国語で「メクチュ」)を組み合わせた造語で、韓国では定番のメニュー!
大邱とチキンの歴史は深く、1950年代の朝鮮戦争で疲弊した国民に対する肉製品供給政策に伴い、大邱一帯では養鶏産業がスタート。そこからさまざまなチキンブランドが誕生し、キョチョンチキン、クンネチキンなど全国チェーン店に成長したブランドも発祥は大邱だという。韓国のチメク文化を体験するにはぴったりのイベントだ。
【ドラマロケ地】
◆アプサン展望台
『キム秘書はいったい、なぜ?』の14話で登場したスポット。大邱の夜景をバックに、パク・ソジュン演じるイ・ヨンジュンと、パク・ミニョン演じるキム・ミソの二人が抱き合うシーンが撮影された場所だ。
大邱にはそのほかにも、『ラブレイン』や『花より男子』などのロケ地である啓明大学校、『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』が撮影された南平文氏本里世居地、『おつかれさま』のクムミョンが結婚式を挙げた桂山(ケサン)聖堂など、ドラマのロケ地が点在している。
ソウルの次の旅先としてぴったりの「大邱」。よりリアルな韓国の雰囲気を味わうにはうってつけの都市ではないだろうか?皆さんにもぜひ、大邱の魅力にハマってほしい。
(文=豊田 祥子)
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