イ・ジュノ主演の最新ドラマ『テプン商社』が韓国で好スタートを切った。同ドラマは1997年当時の韓国の空気と情緒を完璧に再現。特にイ・ジュノとキム・ミンハは、1997年の対照的な青春の姿を見事に描き出し、まるで台風のように引き込まれる没入感を生み出した。
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韓国ではtvNで放送されている『テプン商社』。10月11日に放映されたその第1話は、全国世帯平均視聴率5.9%、最高7.1%、首都圏世帯平均5.7%、最高7.1%を記録し、地上波を含む全チャンネルで同時間帯1位を獲得。さらに2025年tvN土日ドラマの中で初回視聴率1位という好発進を切った。
この日の放送では、当時の風景、感性、音楽、ファッションなど、あらゆる要素が調和し、完璧なノスタルジーを呼び起こして視聴者を魅了した。
物語を牽引した若手俳優2人の圧倒的な演技力も高い評価を得た。イ・ジュノは、自由を謳歌する90年代の若者カン・テプンを演じ、視線や口調、さらには歌やダンスに至るまで繊細で多彩な演技で当時の空気感を完璧に表現した。
特にIMFという巨大な渦に巻き込まれていく中で、対照的な感情を行き来する緻密な演技変化が作品への没入度を高めた。
オープニングは、当時爆発的な人気を博した曲『私は問題ない』で幕を開け、乙支路にある中小企業「テプン商社」の一日を映し出しながら1997年の空気を呼び起こした。
社長カン・ジニョン(ソン・ドンイル)をはじめ、経理オ・ミソン(キム・ミンハ)、営業部課長コ・マジン(イ・チャンフン)、総務部次長チャ・ソンテク(キム・ジェファ)、経営部理事ク・ミョングァン(キム・ソンイル)、物流部代理ペ・ソンジュン(イ・サンジン)など、約10人の社員たちはそれぞれの持ち場で黙々と働き、「仕事のやりがいは自分のためではなく、会社と隣人、そして国のためにある」と語り、IMF直前のサラリーマン像を象徴的に描いた。
一方、社長の息子カン・テプン(イ・ジュノ)は、親世代が築いた豊かさの中で自由を謳歌する奔放な青年だった。狎鷗亭を闊歩する「アプストリート・ボーイズ」のメンバーとして、クラブでは抜群のルックスとダンスで注目を集めた。ポケベルには「584486(オッパ、死ぬほど愛してる)」「17171771(I LOVE YOU)」といったメッセージが殺到し、その人気ぶりを示していた。だがライバルのピョ・ヒョンジュン(ム・ジンソン)とトラブルになり、警察に連行されてしまう。
問題ばかり起こす息子に、父ジニョンは「罪を犯したなら罰を受けろ」と突き放し、和解を拒否。事情を聞くこともなく叱責する父に反発したテプンは、ついに激しく衝突し、父の平手打ちを受けてしまう。
わだかまりと誤解だけが残る中でも、二人の間には確かな愛情があった。花を育てる夢を持つテプンは、夜な夜な温室で自ら接ぎ木した国産バラ第1号を世話し、いつか父に見せて認められたいと願っていた。彼は毎朝、父の靴を丁寧に磨いて玄関に揃え、父もそれを見て黙ってハンカチで拭き取る――そんな不器用ながらも温かな親子の情が描かれた。
しかし、社会はすでに不穏な兆しを見せ始めていた。仲間のユンソン(ヤン・ビョンヨル)の家が倒産し夜逃げ。企業倒産の連鎖が相次ぎ、空気が急速に変化していく。
テプン商社も例外ではなかった。大房繊維からの大型オーダーで一時的に息をついたが、経理のミソンが指摘した通り、その裏には危険なリスクが潜んでいた。苦悩の末に社長ジニョンは契約書に署名し、それが資金難という連鎖反応を生んだ。責任感と重圧に押し潰された彼は、ついに胸を押さえて倒れてしまう。
テプンは昼夜問わず病床の父を見守ったが、肝心な瞬間にはそばにいられなかった。逃亡したユンソンが捕まったという知らせを受けて病室を離れた間に、父は帰らぬ人となっていた。
病院に戻ったテプンが見たのは、白い布に覆われた父の姿だった。信じられない現実を前に、呆然と立ち尽くすテプンの瞳には衝撃と後悔が入り混じった複雑な感情が宿っていた。その時、病室のテレビから「政府がIMFに救済金融を申請し、事実上の国家破綻を認めた」という速報が流れる。こうしてIMFという激動の時代が押し寄せ、テプンの人生は一変した。まさに“嵐の季節”の幕開けである。
『テプン商社』第2話は、10月12日(日)夜9時10分、tvNで放送される。
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